ご自身に合った5W1Hで! (長崎 和可子) | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

ご自身に合った5W1Hで! (長崎 和可子)

2009/04/01

まず,検定試験対策を始めるに当たって,私が基本的心構えとしていたことがあります。私はアークを3期(4月期~10月期)で終わらせることを決めていました。今年(2009年10月)の試験に不合格なら,アークでのクラスを取り終えて少しブランクが空いてから再び2010年の試験に向けての勉強→思い出しつつの勉強は非効率→今年で一発合格しかない!という心構えで,臨みました。

そして,試験までの数ヶ月の過ごし方として,自分なりの5W1Hを設定しました。このうち,whatは,皆さん同じ,検定試験の勉強ですので,省略。when, where, who, howは人それぞれ状況も違うと思います。ですから,まずはご自身に向いている5W1Hを考えてみられてはいかがでしょうか?以下に私の場合を挙げてみます。

When・・・仕事から帰って夜にすると,眠くて非効率。だから空き時間を利用した。少しの空き時間にちょうど良いのは,アークの合格水準問題集と,同じく用語集。ハンディサイズなのと,一区切りが短いため,好きな時に好きな所から始めて,終われるのが良いので,どこへ行くにも鞄に入れていた。

Where・・・内容によって分けた。時間を計って問題を解くなど,集中が必要な時は家で,その問題の答えあわせや間違ったところを調べるのはカフェで,という風に。

Who・・・誰かと一緒にするのか,一人でするのか。私の場合,同期でアークに入学した仲間は皆,様々な理由から,今回は受験しなかったため,あいにく一人での勉強となった。でも,教えたり教えてもらったりすることで頭に残りやすいので,仲間がいるなら,それに越したことはないと思う。

How・・・まずは自分の総合的な分析から。

1 経験を踏まえた分析
試験合格をめざすにあたって,まず今までの自分の失敗(学生時代の受験失敗など)を思い出し,その敗因を分析して,同じ失敗を繰り返さないようにしようと思った。

 ・日々変わる情報(統計的数字など)にアンテナを張り巡らせる。
 ・一番の目的は何か(知識を増やすことではない。それは副産物,と考える)。
 ・効率よく勉強すること。そのためにどうすれば良いか?今これをしていて良いのか?
  とこまめに自問自答。
 ・やみくもにただ勉強するのではなく,予定を立てる(いつまでに○○を終わらせる等)。
  そのことで自分に適度な プレッシャーをかけることにもなる。


2 自分の特徴の分析

 ・ともするとインプットに偏りがちなので,何か手を動かしアウトプットすること
 (問題を解く等)を意識した。

 ・前年度の合格体験記を読んでも,多くの方が,勉強が“辛い”→“楽しい”と感じられるようになり,
  それでがんばれた,と書いている。が,私の場合は,勉強が初めから楽しかった。
  でも,試験に合格するためには,楽しいだけの勉強ではダメで,点が取れる勉強をしないと意味
  がない,と意識した。

3 具体的勉強法

① 試験勉強のために使用した教材
・過去問(平成16~20年の5年分
・検定対策講座で頂いた冊子&プリント類
・アークの合格水準用語集&問題集
・アークの『聴解・音声特訓プログラム』

②勉強法
これまでは,テキストを読み,ある程度わかってやっと問題集に取りかかるというスタイルだった。それを改め,まず問題を解いて傾向を把握した。ただテキストを読むのとポイントがわかった上で読むのでは,頭への残り方が全然違う。

間違った問題は,用語集で調べる。答えでなかった肢についても調べることで,1問解くとその4~5倍学べた。そして,調べた語にチェックを入れる。チェックが増える=知識が増えると感じ,なんだかうれしい(自己満足ではあるが)。

また,調べた語に既にチェックがついていたら,前にやったのにまだ覚えていない!とハッとさせられる。と同時に,何度も出るということは,重要語であることが分かる。

検定対策講座の復習だけはその日のうちに!と心がけた。怠けやすい私だが,これだけは貫いた。なぜなら,エビングハウスの忘却曲線(学習したことを,一日後には76%忘却するというもの)をいつも頭の片隅に置いていたから。これを裏返せば,その日のうちに復習すれば,忘却スピードを緩められる,でも一旦寝てしまったら76%も忘れる!と自分に危機感をもたせ,必ずその日のうちに復習した。

過去問を解くことは,出題形式の特徴を把握することにもなり,本当に良い。点数を上げる一番の近道だと思う。例えば,試験Ⅰの問題1「他と最も性質の異なるものを1つ」選ぶ問題では,普通は5つのうち他の4つと異なる1つを選ぶ。でも時折,2つが同じ,他の2つが同じだから,結局残りの1つが他と異なる,という設問もある。こういう設問方法に対応するには,実際の過去問を解いて,“知っておく”と全然違う。模試の前に5年分を1通りこなすことをノルマとし,最終的には全ての年で3回ずつ解いた。

以上,私自身の5W1Hをご紹介しました。少しでも皆さんのご参考になれば良いですが・・・。まずは,ご自身を分析し,適した方法でお取り組み下さい。また,アークの先生方は,知識が豊富で質問にも丁寧に教えて下さり,素晴らしい先生ばかりです。ご本人も学び続けていらっしゃることがお話の端々に伺われ,私もやる気を鼓舞させられました。アークに入学し,検定対策講座を受けて本当に良かったです。

あと,蛇足かもしれませんが,試験時期の10月ごろに花粉アレルギーのある方は,症状を最小限にできるようご注意下さい。特に聴解で鼻水ズルズルは,自分もきついし周りの人に不要な気を遣って,良いことはありません。

皆様のご健闘を心からお祈りしています。

長崎 和可子さん

日本語教育能力検定試験
第23回 平成21年度 合格