ポイントをおさえて、効率よく勉強 (林 克之)

2010/04/01

2009年3月、会社を定年退職した後、長い海外駐在経験を生かして、外国人の日本語教育の手助けが出来ればなあ、という気になったのが、ことの始まりでした。

2009年4月から9月までアークの420時間養成講座を全て終わらせて(無茶苦茶ハードでした)、夏の検定演習科を受けて、模擬試験も受けて、10月の日本語教育能力検定試験を受けるという計画で始めました。

結果は、2009年度の試験は不合格で、2010年度の試験で合格ということなのですが、そのときの経験からいくつかの教訓を得ました。(人によって、得手不得手、性格、体力、もとからの既得の知識の多寡等の違いがあるでしょうから、一つのケースとして考えて読んで下さい。)

教訓(1)
―検定演習科は必ず受講すべし。―

別に検定演習科の宣伝をする訳ではありませんが、大学受験の時の予備校の授業を思い出して下さい。試験というものには問題を解くコツというか、着眼点があって、いかにそれを要領よく習得するかがポイントだと思います。その点、アーク(私の場合新宿駅前校でしたが)の池田先生はじめそうそうたる先生方に、解答のツボを押さえて、要領よく教えて頂いたと思います。正規の養成講座の授業時間だけだったとしたらあまりに内容が広く多くて、短期決戦の為には時間が足りなかっただろうと思います。

演習科で頂いた、外国人登録数等の統計資料、日本語教育関係の年表、文法等のまとめのプリントなど、他の書籍では一つにこれだけまとまったものが無いと思うので、これも復習・まとめの時に役に立ちました。とにかく、ポイントを押さえてメリハリつけて、効率よく勉強するには検定演習科受講が1番です。

教訓(2)
―試験の「マークシート」は、やっていく順番に必ずマークをして埋めて、空欄を作るな。―

問題が多い(特に「問題Ⅰ」)ので、よく分からない問題が出てくると思いますが、その場ごとに取り敢えずの解答をマークして欄を埋め、次に行くことです。あとで見直すつもりなら、問題用紙にチェックでもしておいて、あとでそこのページを見直しするようにした方がいいと思います。(そもそも見直しをするだけの時間的余裕のある受験者は少ないだろうというのが、私の実感です。)

実は、私が2009年の試験で失敗した最大の理由が、分からない問題の答えの箇所にマークせずに空欄にして次に進んで行って、大分経って気がついたら、いつの間にか本来の解答のマーク欄とマークしてきた欄がずれてしまっていて、それから慌てて消して直すという作業をしなければいけなかったためでした。(そんなバカなと、いうようなことをしてしまうのが、試験本番です。)

教訓(3)
―日本語教師養成講座を受講中で、「教壇実習」を受ける方は、出来たら7月期は避けた方が無難。―

他の教科を全て終わっていて、「教壇実習」だけ受講というのならよいとおもいますが、9月までで全てを終わらせようとすると、さすがに9月の教案作成・添削・教壇実習は時間的、体力的、精神的にかなりハードでしたので、10月の検定試験の準備の最後の追い込みと重なると、かなりきついものがありました。(体力の問題ですが。)

[勉強の仕方](いろいろな勉強方法があると思いますが。)

1.テキスト ①アルク社「合格するための」シリーズの「基礎知識50」
この本に、関連する学者名、提唱者名等を養成講座の教科書等から補記、書き入れていき、最終見直しの時期にはこの1冊を中心にする。
②「やさしい日本語指導」シリーズの「社会・文化・地域」「言語学」 テキスト自体の内容もさることながら養成講座で沖先生から頂いた解説書等の原本コピーの資料は、試験問題の問題文を読んでいく時に、その内容理解に非常に役に立ちました。

③「合格するための」シリーズの「文法」「語彙」「日本語の歴史」  これらも各テキストに他の参考資料からの内容を補記して、見直しは各1冊とする。

④「やさしい日本語」シリーズの「音韻・音声」に補記していく。「合格」シリーズの「国際音声記号表」の部分の拡大コピーは常に必携。
⑤「用語」は「合格水準」(凡人社)のと、「新はじめての日本語教育基本用語事典」(アスク出版)と、どちらも一長一短ですが、どちらかに不足・追加内容等を書き込んで1冊で内容を網羅出来るようにする。

⑥「過去問題集」は、1年目は3年分をやるのが精一杯。2年目は5年分やってみましたが、類似内容の問題傾向が分かるのと、解答時間のペース配分を知るのに役に立ちました。

2.どう勉強するか
養成講座終了後、地域でのボランティア日本語教室のお手伝いをしてきましたが、「教育する」現場から分かる部分のポイントは体得出来たと思います。2年目は実際の教室の授業の教案作り中心で、あまり受験勉強と言うほどのこともしませんでしたが、学習者にとって必要な文法項目(試験Ⅰ)、発音上の問題点(Ⅱ)、表現上の用法の誤り(Ⅱ)、種々の教室活動(Ⅲ)等、教育現場と直結した部分は、試験においても自然と分かったように思います。(特別には問題集での練習をしなかった「記述問題」も、試験の時に質問と解答の要点は割合と簡単に把握出来たと思います。)

最後にまとめると、①知識を詰め込む問題は割り切ってポイントを押さえて覚える、②発音、教室活動は現場ですぐに有用だから真剣に覚える、③2011年の試験問題の傾向は変わるでしょうが、「留学生30万人計画」「グローバル30」「常用漢字改定に伴うPCの外字問題」等の新聞切り抜きをしておくとか、常に日本語教育関係の時事問題に関心を持って予備知識の準備をしておくと出題者の問題予測をし易いと思います。

皆様のご健闘を心からお祈り致します。

林 克之さん

日本語教育能力検定試験
第24回 平成22年度 合格