海外通信ワールド編第5号 | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

【第5号】マーシャル諸島共和国 マーシャル諸島高校 浅香 美彩先生

2011/01/07

浅香 美彩 先生
2008年修了生
マーシャル諸島共和国
マーシャル諸島高校

第5号 2011.01.07

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アークアカデミーの在校生、卒業生のみなさん、こんにちは。私は2009年の6月から現在、青年海外協力隊として南大洋州にあるマーシャル諸島という小さな環礁で働いています。

南の島の暮らしは想像していたよりも大変で、とにかく小さな環礁で(約3キロ×3キロくらいの環礁で海抜はほぼ0m)雨水をタンクに溜めてその水を使って生活します。停電もしょっちゅうで、授業中に停電になることもよくありますが、生徒たちは慣れているので多少暗くても気にしません。

日本が統治していた時代もあり、いくつかの日本語がマーシャル語となっています。アメダマ・キュウリ・アミモノ・デンキ・チャンボ(散歩)など面白い言葉もいくつかあります。マーシャル人はチャンボが大好きでどこに行くにもチャンボという言葉を使います。また祖父母が日本人という生徒がクラスに1割ほどいて国全体が親日家です。外に出ればマーシャル人がコンニチハ!アリガトウ!と挨拶してくれます。

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日本からの距離は近いのに航路の関係で行きづらく、国に放送局もないのであまりアニメが普及していません。生徒が日本をメディアなどで知ることがないので日本語を教えるのには苦労もありますが、だからこそ自分が丸ごと教科書だ!という感じで教えている毎日です。南の島時間でゆったり、遅刻は当たり前という国は日本とは対極にあたるので礼儀から時間を守る大切さなど日本語だけでなく生活指導もしています。生徒指導は叱るのも英語でお互い外国語を介しているのでもどかしく感じることもしばしば。(母語、公用語はマーシャル語。)逆にこの国の人たちのおおらかさから学ぶことあります。最近は急ぐことがなくなり、走ることもしなくなりました。

毎日、遠い存在の日本をより近く感じてもらえるように、日本が好きになってもらえるようにという想いで日本語、日本文化を教えています。また教えることは、学ぶこと。毎日生徒たちの面白い発想に笑わせられながら、マーシャルの文化を学びながら過ごしています。