合格への道2011 (坂部 玲子)

2011/04/01

震災を機に、来年自分がどうなっているかわからない、多少無理をしても、やりたいことは先延ばしにせずやっておかなければ、と強く感じ、かねてより興味のあった日本語教育能力検定試験を目指すことに決めました。2011年4月のことです

自身の性格はよく把握しており、根気も根性も長続きしない私は、完全な短期決戦型でした。ヤル気を1年半持続させるのは到底無理…。そこで何とか今年合格したいものだと考え、だめもとで半年間、やれることは全部やるつもりで計画を立てました。まずは膨大な試験範囲を一度全てさらう必要がありました。

なにしろ4月の段階では知識ゼロですので、土台を作らなければ話になりません。かといって1科目でも独学でやるのは難しいと思い、理論の授業をほぼて全て4月期に集中させました。昼間は仕事をしておりましたから夜と土日の授業を取れる限り取りました。その結果週6で学校に通うことになり、金曜日以外は必ずどこかの校舎に顔を出していました。

6月の終わりにテストが5つ重なったのが少しきつかったけれど、内容がとても面白かったので、つらいということはありませんでした(半年で合格したいと思うならある程度きつくて当たり前だとも思いました)。むしろ学校は大変よいペースメーカーになってくれました。7月期は授業もぐっと減ってだいぶ楽になり、試験の全体像もようやく見えてきたので、こんどはいよいよ本格的な試験対策として土曜日の検定演習科を受講しました。

やや痛い出費でしたが、できる限りのことをしなければ後悔すると思ったので、迷いはありませんでした。結果、やはり受講してよかったです。これは通いのコースの魅力でもあるのですが、疑問点はその場で質問し、その日のうちに解消するように心がけました。奥澤先生には本当に根気強く教えて頂き、大変感謝しております。もうかなりしつこく質問してましたので(我ながらおんぶおばけのようでした…)、合格できなかったら本当に面目ないな、と思っておりました。

振り返って何がよかったかと聞かれたら、①理論の授業の取り方がよかったこと②検定演習科を受講したこと。③4月から試験まで1日も休まず勉強したこと。この3つではないかと思います。③については、授業のほかに会社の昼休みと電車の中、帰宅後は近くのカフェで最低2時間半(家にいるとすぐ寝てしまうということが早い段階で判明)の勉強時間を確保しました。ちなみに過去問ⅠorⅢ+答え合わせで最低2時間半は必要です。また、4月期の理論は予習の本読みと復習を欠かしませんでした。以下、使用したテキストです。

* 過去問題6年分(H17~22)
* 合格水準日本語教育能力検定試験問題集
* 新合格水準日本語教育能力検定試験問題集
* 音声・聴解特訓プログラム
* 合格するための本(H22、23年度)
* 検定演習科テキスト
* 全重要語チェック集(特に巻末の100題)

テキストは何冊も違うものをやるよりも同じものを何度もやった方が遥かに身につくので、上記を2~3回ずつやりました。といっても、若干手を広げすぎた感があります。特に「合格水準」と「合格するため」は張り切って早々と購入したところすぐに新版が出てしまい、これは当然新しいのをやるべきだと思ったので、泣く泣く追加購入しました。

買ったものももったいないのでやりましたが、本当はこの2冊をなしにして、全て3回以上やりたかったです(巻末の実力判定問題までは手が回りませんでした。もったいない…)。しかし、古い方の「合格水準」はサイズがコンパクトで説明も丁寧なのが気に入って、かばんに入れて持ち歩き、会社の昼休みはひたすらこれを解いていました。

その他活用したもの:
* 理論の教科書&ノート
* 新しい国語表記ハンドブック(改定があったばかりなので、必須)
* 「月刊 日本語」4~9月号(図書館で借りた。巻末問題及び最新情報のチェック)
* HP(国際協力機構はじめ、文化審議会、法務省、etc.etc…片っ端からリストアップしてチェックしました。時間がなくて、ざっとでしたが)

記述対策は過去問を数問やった程度で、殆どやりませんでした。元々苦手な上、23年度から出題が変わり、記述は自分の考えを書けばいいんだよな、と思ったので、その分の時間をほかに振り向けることにしました。この道を目指す以上、日本語に関してある程度の意見は持っている(つもりです)ので、無謀にもあまり心配することはありませんでした。そして9月の模擬試験の後、完全な朝方に切り替え、早朝を聴解練習に充てました。

あとひとつ、私の中で転機になったと思えるのが、夏に授業参加したことです。本当に楽しかったのです。そもそもこの資格を目指そうと思ったのは、面白そうだということと、将来に向けた安心材料のひとつとしていいんじゃないかと考えたからでした。それが実際の生徒さんと接することで、すごくこの仕事がリアルで身近なものに思えました。生徒さんは皆熱心で、とてもかわいくて、将来こういう仕事の可能性があるのは、楽しみなことだな、とそのとき改めて思いました。それまでは面白いとはいってもただひたすら問題を解く毎日でしたが、その授業をきっかけに、別のやる気が生まれたように思います。皆様も是非参加されることをお勧めします。

420時間のコースもあとは実習を残すのみとなりました。検定演習科に通ったのは猛暑の頃でしたが、今は白い息を吐きながら授業に通っています。今後は実際に教えるということをイメージして更に日本語力を磨かなければならないな、と思っています。この日本語教師という仕事が思っていたよりも大変だということが、授業を通して身にしみてわかったので。この先、試験勉強をしていた頃を懐かしく思い出すことでしょう。きっと実際の現場のほうがずっと大変だろうと思います。

長くなりましたが、最後に先生方、それに支えてくださったスタッフの皆様に厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

坂部 玲子さん

日本語教育能力検定試験
第25回 平成23年度 合格