第7号 ピラポ日本語学校の概要

2011/12/20

#

市川 伴武 先生
パラグアイ ピラポ市
(JICA派遣)

男・日本語教師 パラグアイで『(いき) 』る! 第7号
~ピラポ日本語学校の概要~
 

さて、最近、果たして「男・日本語教師」はちゃんと日本語教師の仕事をしているのかとのお声を熱烈な読者の方からいただきましたので、そろそろ本職のことを書こうと思います。私が働いているピラポ日本語学校をご紹介いたします。

ピラポ日本語学校の全校生徒数は約140人です。小学1年から中学3年までそれぞれ国語クラスとして、9学年あります。それとは別に日本語が弱い子どものための日本語クラスが1クラスあります。全部で10クラスありますが、日本語クラスは国語の小学1年クラスに入る前の準備クラスという位置づけで今年から進めています。それぞれのクラスに担任がおり、10クラス=10名の担任教師、それに補助の教師が一人とJICA日系社会青年ボランティアの私が一人、全部で12名の体制です。校長先生を含む1世の先生が3名ほどいらして、あとは2世、3世の先生です。

#

全校生徒写真

ピラポ日本語学校の学校目標はこのようになっています。

■日系人として・・・
・日本文化を通して、礼儀作法を身につけ、責任感を持った思いやりのある人間に
 育てる。
・日系人として、移住の歴史を知り、日本語が話せて、誇りが持てる人を育てる。
・パラグアイ国からいつまでも信頼される人を育てる。
■日本語能力として・・・
・中学校3年生までに国語(光村図書)の小学校6年生程度の読み書きがほぼ
 できる。
・日本語能力試験N2レベルに合格できるような日本語力をつける。
■その他
・学校と保護者間での報告・連絡・相談・共有をしっかりとする。

この目標に向かって、日々、各クラスの先生方が熱心に教鞭をとられています。

#

朝礼でのラジオ体操

授業は毎週土曜日しか行っておりません。理由としては、子どもたちは毎日パラグアイの通称スペイン語学校に通っているからです。スペイン語学校は通常、午前または午後のどちらかしか授業をしません。その時間帯は学年によって決まります。他の移住地では、そのスペイン語学校のスケジュールに合わせて、午前中はスペイン語学校、午後は日本語学校といったようなスケジュールで毎日日本語学校の授業も実施しているところが多いです。しかし、ピラポ日本語学校の場合、ピラポ市内の学校に通う子どももいれば、ピラポ移住地以外の遠くの私立のスペイン語学校に通っている子どもも多いです。そうなると毎日授業を実施するのは時間的、または親の送迎などの問題もあって、難しい状況なのです。

#

小学3年生クラスの授業風景

したがって、土曜日しか授業ができないため、土曜日は1時間目から7時間目まであります。小学1年生もです!しかも、基本的に教科は国語(日本語)のみ!想像しただけでもゾッとしますよね・・・。はい、私はゾッとしました。

#

楽しみなお弁当の時間☆

身の毛もよだつスケジュールなのですが、子どもたちは声をそろえて言います。「日本語学校が好き!」と。その理由はそれぞれあるとは思うのですが、いくつか大きな理由が推測できます。

まず、スペイン語学校ではいわゆる「アウェー」の空気になりがちなのだそうです。ピラポの人口約7000人中、日系人は約1300人という比率からわかるように、やはりここはパラグアイなのです。日系人はマイノリティーに分類されることは言うまでもありません。また、家庭では日本語が強い家庭環境の子どもがピラポの場合はまだ多くいます。学習時にどちらの言語を使って理解しているのでしょうか。頭の中で日本語で考えている子どもにはスペイン語学校の授業は苦しいかもしれません。

さらに、パラグアイでは学校の教育水準の低さや、教師の質が日々問題とされています。スペイン語学校の授業は教師が黒板に書いたことをノートに写す作業にかなり時間を費やすスタイルの授業のようです。また、教師の研修などといった名目で、平日によく学校が休みになるのがこのパラグアイです。落ち着いた学習環境かと言われたら、首を縦にふれない要素をたくさん聞いています。そういった中で、スペイン語学校が違えば、毎日会うこともできない同じ人種、似た境遇、同じような顔をした大切な友達と週に1回会って、日本語や日本文化を共に学び、昼休みにお母さんの作ってくれたとびきり美味しいお弁当を食べられる土曜日は子どもたちにとっては、大きな楽しみのようです。

ざっくりと概要を今回は書かせていただきましたが、徐々に細かい部分に触れていきます。¡¡Hasta pronto(またすぐに)!!