合格体験記 (中村 龍子)

2012/04/01

私がアークアカデミーに入学したのは2月の後期です。本格的に始動したのは4月期から。その頃は一時的に仕事もフルタイムになり、土曜日も仕事だったので休日なしの目まぐるしい3ヶ月となりました。特に初級指導編は思っていたよりも大変でした。

その間は10月の試験を意識しつつも試験勉強をする余裕は全くなく、日々の授業に出席するのが精一杯という状況でした。一時は「今年はコースの受講に集中して、試験は来年に受けたほうがいいのではないか。」と悩んだこともありましたが、スタッフの方に励まされ4ヶ月後の受験を決意しました。決意したと言っても検定演習科に申し込んだだけですが。検定演習科担当の先生がヤマをかけてくれるからそれだけ勉強すれば何とかなるだろうと甘い考えでいたのです。

検定演習科の開講初日、教室は満席、受講者の方々の真剣な眼差しに圧倒されました。私のようにヘラヘラしている人などいません。それでも「まだ7月だし。」と高を括っていた私でした。考えてみれば、この頃からやる人はきちんと計画を立て試験勉強に取り組んでいたのですね。

そこからはただ毎週検定演習科の授業に出席するだけの日々、それ以外の時間に勉強することもなく、あれよあれよという間に時間だけが過ぎ、気がついたら模試の日に。それなりに緊張はしましたが「まだ本番じゃない」という意識から意外とリラックスして試験に臨むことができたように思います。事前に「とにかく時間との勝負」と聞いていたので、分からない問題で手を止めることなくスピード重視で取り組んだところ、時間配分はうまくいったようです。ただ、検定演習科で学んだことも復習せず、自分で勉強することもなくほとんどゼロ状態で試験を受けたので、結果は散々たるものでした(特に記述問題は3点!でさすがに目を疑いました)。順位はもちろん半分より下で、合格圏にはほど遠い結果です。

普通はそこで反省し、試験結果を分析したりして奮起するのでしょうが、ダメな私はその自業自得の結果を前にやる気を喪失してしまったのです。結局その後もほとんど何もやらないまま演習科の授業に出席するだけの日々が続き、気がついたら10月になっていました。

10月になってから、あと3週間もない!さすがにこれはヤバい!と焦り始め、少しずつ用語集などで勉強するようになりました。しかしやればやるほど分からないことだらけで、焦りが募るばかりです。

しかしそんな私にもちょっとした秘策がありました。こんな自分の性格を熟知しているので、今年は夏休みを短めに取り、かわりに試験前の一週間を試験勉強に集中できるように有給を取っていたのです。そして案の定、お尻に火がついて煙が燻り始めた緊張感100%の状態で勝負の一週間へ突入。3度の飯と睡眠以外は自習ルームに隠って勉強するだけの7日間を過ごしました。しかし、あまりにもやることが多く、全ての項目を消化しきれないまま時間切れになり、試験対策には必須と言われる過去問と苦手な聴解問題の対策が全く出来ないまま本番に臨むことになってしまいました。

本番ではその「やるべきことができなかった。」という思いが緊張に変わり、出題形式が少し違う問題や分からない問題に当たるとパニックに!試験Ⅰの前半で既に「もうだめだ…」という思いがよぎり、「あぁ、来年もまた試験勉強するのか。今度こそ早めに対策をして絶対成功しなければ!」などと考えながら問題を解いていました。

試験が終わった時は、パニックのせいで出来るはずの問題ですら解けなかったことが悔しくて悲しくなりましたが、自分の勉強の仕方を考えてみたら当然の結果だと納得し、来年の合格を心に誓い、冷たい雨の中家へ帰りました。

不合格を確信していたので試験後に速報で解答が発表されても自己採点することもなく、合否結果発送予定の12月21日を呪うような気持ちでそれまでの日々を過ごしていました。

なので、22日に家に届いた大きな封筒を見つけた時は絶叫して事情を知らない母親を驚かせてしまいました。今でも信じられません!これから受験される皆さんにはまるで参考になりませんね。ただの怠け者がまぐれで合格してウカれて書いた体験記と思われても仕方がありません。

合格必勝のための勉強法や細かなアドバイスなどは他の方にお任せするとして、私から言えるのはいつからでも本気で勉強するのが遅すぎるということはないということと自信をなくても決して諦めてはいけないということです。


と言いつつも、参考までに…。
「勝負の一週間」の前にやっていたこと:
TPRやCLLなどのアクロニム、教授法や理論の名称とその提唱者の名前などは覚えるしかないので用語集などから抜き出して単語帳を作成。さらにiPhoneの単語帳アプリを使って用語の暗記(←これは本当に役に立ちました。)。

ただ、用語を覚えることは大事ですがそれだけでは応用がきかないのです。

この試験では、一つあるいは複数の言葉を色々な角度から、時には時系列的にも体系立てて分析・整理できる力が問われるのだと思います。
しかし、そのために特別な能力が必要なわけではなく、ひたすら問題を解いて問題に慣れ、どんなひねくれた形で出題されても落ち着いて解答出来るようになれば大丈夫だと思います。たくさんの問題を解く必要があるというのは、問題に慣れるためであると同時に試験当日「これだけやったから大丈夫」と落ち着いて試験に取り組むことができるようになるためでもあります。私にはこれが足りませんでした。

試験直前の「勝負の一週間」でやったこと:
検定演習科で配布されたプリントと、ヒューマンアカデミーの完全攻略ガイド(通称「赤い本」)、合格するための本を平行してカテゴリーごとに内容を叩き込み、全ての問題を解き直す。間違ったところは答えを赤で書き込む。

それらの問題を解き終わったところで合格水準問題集まるごと1冊2日間くらいで一気にやる。これも間違ったところは赤で書き込む。問題を解きながら分からなかったところや苦手意識がある言葉などを専用のノートに殴り書き。(きれいに書くより時間的にも精神的にも効率的)

間違った問題をどう扱うかは時期によっても人によってもやり方が違うだろうと思いますが、試験直前に解く問題については一度解けた問題は本番でもまた解けると信じ、解けなかったものや間違った問題だけに注目できるよう、問題集に直接赤で答えを書き込んでいきました。

はっきり言って試験勉強は苦痛でした。それでも最後には勉強する楽しさが少し見えてきました。バラバラだと思っていたことが頭の中で少しずつ手をつなぐように線になっていくのは感動的ですらあります。そして、試験勉強をしなかったら知らなかったことが山ほどあります。

それから、検定演習科の授業は最初から最後まで緊張感たっぷりでしたが担当の先生方が本当に熱心に指導して下さってとても楽しかったです。

今年受験される皆さんも「当然だろ。」でも「ホッ…。」でも「よかったー!」でも「まさか!?」でも「信じられない!!やったー!」でも何でもいいので、大きな封筒で合格通知を受け取られることをお祈りしています。頑張って下さい!

中村 龍子さん

日本語教育能力検定試験
第26回 平成24年度 合格