検定試験を振り返って (櫨 佳世)

2012/04/01

私が本格的に試験の準備を始めたのは、本番の約半年前である4月初旬でした。勉強中は、いつも「勉強を始めたのが遅かったのではないか」という不安を感じていました。特に、本番が近付くにつれて試験範囲の多さに圧倒され、時間との戦いのような気がしてきました。

そのような私が合格できたのは、アークアカデミーの検定演習科の授業に真剣に取り組んだことにあるのではないかと感じています。当初、私は「アークの授業の復習と自学だけでいいのではないか」とも考えていました。私は仕事を辞めて日本語教師の学習に集中しておりますので、勉強時間が比較的多めに確保できると思っていたからです。しかし、初挑戦ということもあり、最終的には検定演習科で指導を受けながら勉強をすることにしました。そして、その判断は正解だったと思います。なぜなら、過去の傾向と最新の動向を的確に分析した指導が受けられ、同じ道を目指すクラスメートの皆さんと刺激し合うことができたからです。また、検定演習科で配布された資料を勉強する時間が必要になるため、必然的に机に向かう時間が増えました。

次に参考書ですが、『やさしい日本語指導1-社会・文化・地域<新版>』を常に携帯していました。コンパクトですが情報が満載されており、私の心の支えでした。

過去問は、直近3年分の問題を3回に分けて取り組みました。1回目は本番を想定して、本番の順番通りに解答し、時間配分の傾向をつかみました。2回目は理論ごとに解答し、出題傾向をつかみました。そして3回目は、過去に間違えた箇所のみ解答し、弱点の克服を図りました。

「年代や人名は出題されなくなった」という話も多くの方から聞きましたが、やはり覚えないと不安でした。私は暗記が苦手なので、年代は語呂合わせ、人名は似顔絵、教授法はフローチャートにして、いつも目につくように部屋中の壁や冷蔵庫にメモとして貼りました。貼ったメモは1週間ごとに場所を変えたり、わざと汚く書いたり、斜めに貼ったりするなど、注意を喚起する工夫もしました。

そして、いよいよ本番の日が来ました。この試験は量が多いのも特徴ですので、限られた自分の集中力をなるべく得意分野で発揮するように心掛けました。文法は苦手なので、試験Ⅰでは問題4から解き始めました。その結果、周りの人たちの解答速度を気にしなくてもよいという利点もありました。試験Ⅲでは、記述問題に30分残すようにしました。10分で構想を整理し、20分で書きあげました。400字に20分は多いと思われるかもしれませんが、私は苦手の聴解問題で落とした点を記述で取り戻す必要がありました。そこで、記述には力を入れ、とにかく丁寧に仕上げるようにしました。句読点にも細心の注意を払い、「見た目」も重視しました。何千枚もの答案を見たあとの採点者が、読んでみるかと思う「答案用紙」作りに努力しました。構成についてはアークの検定演習科での指導がとても役に立ちました。

今こうして振り返ると、やはり合格に「近道」はないと感じています。しかし、自分の工夫と努力でその道を歩きやすくすることはできるかと思います。私は、とてつもなく音感がないという弱点があります。実際、試験Ⅱの問題1は自己採点では0点でした。この弱点を短期で克服するのは難しいと考え、早い段階で勉強の重点をシフトさせ、いかにそれ以外の所でスコアを上げるかを考えました。自分の弱点を克服するという努力と同時に弱点を切り捨てる勇気と切り捨てた分を取り戻す覚悟も必要かと思います。

最後になりますが、私の語呂合わせリストの一部をご紹介させて頂きます。

孤立語 中国語・イ語・ルマ語・メール語・オス語・トナム語・モア語 孤立して中国旅比べさ
1984 日本語能力試験 一級パスして日能試験
2002 日本留学試験 におんに(日本)に行こう留学試験
人名用漢字数
861
わるい
常用漢字数(池田悠子先生作
+2136
にいさんろくでなし
子供の名前に用いることができる漢字数
=2997
でも、にくくな


つらい試験勉強中に考えた語呂合わせは、今見ると何とも「愛おしく」ぜひ、皆様にもかわいがって頂ければ幸いです。そして来年は、もっと素晴らしく、楽しい暗記方法がこの場で数多く発表されることを期待しております。

以上、乱筆ですが私の受験体験が今後受験される皆様の一助となることを願ってやみません。私を合格に導いてくださった皆様、本当にありがとうございました。

櫨 佳世さん

日本語教育能力検定試験
第26回 平成24年度 合格