継続は力なり (陳 意分)

2012/04/01

私が日本語教師という仕事を意識し始めたのは去年の春ごろでした。勤めていた会社を退職し、さあこれから何をやろう…と考えた時に頭に浮かんだのがこの仕事でした。両親が台湾出身で日本語に苦労していたのを幼少時から見てきていたため、両親のような日本語を母国語としない人たちの役に立てれば、と考えたのです。

7月期にアークに入学し、当初は420時間総合コースに1年かけて通いその後検定の勉強をするつもりだったのですが、スタッフの方に「今からでも十分間に合いますよ」と背中を押していただき、思い切ってチャレンジすることにしました。正直、机に向かって勉強することから何年間も遠ざかっていたので週5日の通学は体力的にも精神的にも辛いときもありましたが、新しい知識をどんどん吸収できるのは単純に楽しかったです。

前置きが長くなりましたが、ここから私の勉強法をご紹介します。
(私は3ヶ月後の検定本番に向けてモチベーションを保つ自信が無かったので、9月にある模試である程度の結果が出せるよう照準を合わせて勉強を進めました)

まず目を通したのが、『日本語教育能力検定試験に合格するための本』(アルク)です。これを一通り読んで日本語教師という仕事や検定についてイメージを膨らませました。この本は勉強の途中で心が折れそうな時にも度々読み返してモチベーションを維持するのにも役立ちました。

次に手をつけたのが『日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド』(ヒューマンアカデミー)です。分厚くて気が遠くなりますが、とにかく最後まで読みきります。ここでは細かい部分まで確認することはせず、検定の全体像を掴むことが目的でした。これと同時に聴解対策も始めました。聴解はやればやるほど得点源になるので、後回しにせず早めに手をつけることをおすすめします。

前述の2冊を読み終わった後は過去問を解きました。過去3年分を購入し、3年前のものから始めました。早めに本番の流れに慣れたかったので、始めから時間をしっかり計って本番と同じような環境でやりました。もちろん、始めから良い点数は取れません。ここからどれだけ点数を上げられるかを楽しみにしながら勉強するのがコツだと思います。

私は
①アークの授業、
②筆記の問題集、
③聴解の問題集、
④過去問

の4本柱を毎日繰り返して積み上げていく勉強方法をとりました。授業はほぼ毎日あるので、配布されたプリントや教科書で復習を行うようにし、1問でも良いので何かしら問題を毎日解くようにし、空白の1日を作らないようにすることを心がけました。

次に、学習するにあたって役立ったものを紹介したいと思います。まずは、当然のことながら日々の授業です。私は物事を理解するのにものすごく時間がかかるので、繰り返し受講できるシステムはとてもありがたかったです。先生によって教え方も違うので、違う視点から勉強することができたのが良かったです。

そして、検定演習科では充実した内容と池田先生のわかりやすい説明で毎回刺激的で楽しかったです。ここで配られたプリントは一生の宝物です。通学中の電車内などの隙間時間はiPhoneの単語帳アプリを活用しました。空いた時間にさっと単語の暗記が出来るのが便利でした。また、どうしてもやる気が出ないときはごろごろしながらこのアプリで用語の確認が出来たので、途中で気持ちを切らすことなく勉強が出来ました。正直、これがなかったら早々に脱落していたと思います。このアプリを教えてくださった勉強仲間のNさんには本当に感謝しています。

こんな風にして、9月の模試まではひたすら淡々と知識を蓄えることに専念しました。

模試が終わったあとの残り1ヶ月も基本的にはこのスタンスで勉強を続けました。ここで気を付けたのは、紛らわしい用語を自分の中できちんと区別出来るようにすることです。試験対策用のいわゆる「まとめノート」は作らなかったのですが、分かりづらい用語に関してはこの時期にノートにまとめて覚えました。

実は、試験の2週間前に盛大に体調を崩してしばらく寝たきりになってしまい、やむを得ず携帯アプリなど寝ながら出来る最低限の勉強をして凌ぎました。このときはさすがに焦って弱気になりました(笑)みなさんも体調管理には気を付けてください。最終的に、問題集や過去問を3、4周ほど解いて試験に臨みました。

試験本番では、序盤の試験Ⅰが今まで解いた過去問に比べ大変難しく感じ、動揺して途中何度もくじけそうになりました。それでも、とにかく全ての問題を埋めようと時間ギリギリまで粘りました。恐らく、ここで諦めていたら合格は出来ていなかったと思います。

試験が終わった後はあまりの手応えの無さに喜ぶことも残念がることも出来ずしばらく放心状態だったので、年末に合格証書が届いたときは本当に嬉しかったです。

私は、何か一つのことをこつこつと続けることが大の苦手なのですが、この3ヶ月間は自分でもびっくりするくらい毎日が日本語教育一色でした。今まで生きてきた中で1、2位を争うくらい濃密な3ヶ月間でしたが、ここまでやって来られたのもアークの先生方やクラスの皆さんの温かい支えがあったおかげです。本当にありがとうございました。

この試験に合格して、ようやくスタートラインに立てた気がします。そして、試験勉強で得た知識だけでは良い教師にはなれないということを強く感じています。今は検定合格に甘んじず、これから始まる実習に向けて現在実技の授業に精を出す日々です。

「継続は力なり」の言葉を胸に、がんばりたいと思います。
またしばらくお世話になりますが、何卒よろしくお願いいたします。

陳 意分さん

日本語教育能力検定試験
第26回 平成24年度 合格