合格体験記 (高木 由紀)

2013/04/01

日本語教育能力試験を受けた動機

外国人の方と仕事をする機会があり、その経験から日本語教師の仕事に興味を持ちました。2012年から、以前のカリキュラムのWEB講座を受講し、その後実技を受講しました。WEB講座の終了認定のテストがあったのですが、その結果は、本当に散々なものでした。「今の知識がない状態で、日本語教師になってもいいのだろうか。」と、大反省したことが、検定試験を受けることになった一番の動機です。

試験勉強を受けることによって、教壇に立つうえでの必要な知識を得ることができると思いました。また、もし運よく合格できれば、仕事をする上での自信につながると思い、検定受験を決心しました。

勉強法

すでに述べたとおり、私の日本語教師として身につけていなければならない知識は、本当にみじめになるほどのものでしたが、その中で、文法だけは良い点数でした。

なぜ、文法だけが良い点数であったかというと、楽しんで勉強できたためだと思います。前述のWEB修了認定テストの直前、横浜校の受付の菊地さんに、 良い勉強法を相談したところ、アークアカデミーのHPの「今週の問題」を紹介されました。

「言語と心理」や、「社会・文化・地域」など知識を問われる問題は、基本的な用語の知識や流れがわかっていないと、全く解けませんが、文法に関しては、カンで答えても当たっていたりしました。なぜ正解なのか、その解説を読むことでも、普段使っている日本語の新しい発見があり、とても面白く勉強できました。

認定テストにおいて文法だけは自信が得られたおかげで、受験まで私の一番の得意教科でした。(アークの「今週の問題」の文法は、やり過ぎて答えを覚えてしまいました。検定直前は、ア○ク(アークじゃありません)や、他の学校のHPなどまで出張してやっていました。)

自分自身に、基本的な知識が全くないことを痛感しましたので、まず、用語、流れを暗記するところからやらなければならないと思いました。もう一度WEBを拝見したかったのですが、すでに期限が切れていて見られず、○ューマンアカデミーの赤い本の太字を全て暗記することを目標にひたすら読んで、書いて、チェックペンと緑色のシートを使って(今どきいないですね)頑張りました。

それでも、検定演習科を受講するときは、まだ5~6割しか覚えられていない状態だったと思います。しかし、用語などがある程度分かり、問題がスムーズに解けると勉強も楽しくなりました。なにより、沖先生の授業が楽しく、また、問題が答えられるといつもほめてくれました。私はもういい年をした中年で、勉強をほめられることは学生時代以来ですが、本当にほめられると嬉しくて、益々やりがいをもって受験勉強ができたのだと思います。

しかし、やはり全く基礎知識のない分野の勉強は、本当に大変で、時に億劫に思うこともありました。
自分の性格から、1日でも何もやらない日ができると、次の日、その次の日もやらず、気が付くと全然やっていない…という状態になることはわかっていたので、毎日のノルマを決めました。

まず、朝起きてすぐ、文法30分、聴解30分、記述30分を毎日必ずやることを決めました。しかし、だいたい、大好きな文法しかできませんでした。用事で文法すらできないときは、出先に例の赤い本を持っていき、駅のホームや電車の中でひたすらチェックペンと緑のシートを使い、復習しました。(異様な光景だったと思います。電車内で見知らぬカップルに、「あそこにものすごく一生懸命勉強している人がいる~。」と言われたこともありました。同じ車両の人の多くが、「変な人」と思っていたかもしれません。)

「毎日、30分」と言いましたが、結局、試験日までに記述と聴解は、15回ぐらいしかできなかったと思います。特に記述に関しては、ほとんど勉強できませんでした。

400字と言う短い小論文を書くことに慣れていなかったので、慣れるために問題の解答をそのまま書き写す作業をし、それから練習問題に取り掛かる計画を立てましたが、結局、書き写しの作業をひたすらやっただけで試験日が来てしまいました。

聴解は、途中から自宅ではできないと判断し、これも電車で勉強することにしました。

検定演習科最終日になり、これが最後であとは自学習だと思うと、急に自分の知識のなさに恐怖を覚えました。そんな時、同じ演習科の山田さんに、ここまで来たら、演習科テキストをひたすらやったほうがいい、というアドバイスを受けました。

演習科テキストは、一度授業で勉強したから、と、その後は時間がなく見直すことをしませんでしたが、受験勉強である程度知識も深まってから、改めてじっくり勉強すると、本当にコンパクトによくまとめられた、秀逸なテキストであると思いました。直前は演習科テキストと、模試、過去問2年分をやりました。

試験当日

模試の時に昼食を食べすぎて、問題Ⅲのときにボーっとして集中できなかった反省から、昼食は、本当に軽めにしました。

また、試験日は良い天気でしたが、秋も深まったころたったので、長時間座っていると底冷えがしました。私は携帯用カイロを2つ腰にあてて臨みましたが、もし、なかったら寒くて集中できなかったかもしれません。

その他

膨大な試験範囲、しかも、全くの専門外の勉強は本当に大変でした。また、教壇実習、教師としての研修を受けながらの勉強は時間がいくらあっても足りませんでした。

そのようなとき、勉強の一番の妨げとなったのは、「検定の勉強は、教師になるうえで必要ないらしい。」 「ここまで勉強して、知識は十分あるのだから、試験など受けなくてもいいのでは。」 などの考えでした。

そのような考えが浮かんでくるたびに、脱力感に襲われ、また、思い直して奮起して勉強する、ということの繰り返しでした。今、私は幸運にも教壇に立っていますが、まさに検定試験問題と、その問題を解くための受験勉強が、現在の私の礎となっています。

以上が、私が検定対策として行ったことですが、人それぞれに合う勉強法は全く違うと思いますので、参考程度にしていただけると幸いです。 私のようなものが合格したのは、検定演習科でお世話になりました沖先生はじめ、検定以外の授業を担当してくださった諸先生方、各校スタッフの皆様方、クラスメートの皆様方お蔭だと思っております。本当にありがとうございました。

これから日本語教育能力検定を受験される皆様方のご健闘、 日本語教師としてのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。

 

高木 由紀さん

日本語教育能力検定試験
第27回 平成25年度 合格