2回目で合格! 1回目との違いは・・・(内野 周三)

2013/04/01

文化、自然、人々の心、・・・日本には素晴らしいところがたくさんあり、大好きです。十数年前、日頃何気なく使っている母語の日本語もちゃんと勉強してその良さを再発見したいと思い立ち、「日本語教師」のことを知りました。

そして、2012年春プラントエンジニアリング会社で定年を迎え、仕事も一区切りしたのを機に36年間のサラリーマン生活を卒業し、4月から日本語養成講座を受講することを決意しました。その年の10月検定受験を目標に、係の方の助言を頂いて理論科目を早目に履修する計画でスタート。具体的には、4月期に言語と教育、言語と心理、社会・文化・地域と言語一般Ⅰ~Ⅲを、7月期に言語と社会、コースデザイン、初級指導編を、10月期に教室活動と中級指導編を、1月期に教壇実習としました。初めは理系かつ高齢の頭で大丈夫だろうかと心配でしたが、全く杞憂でした。言語表現上の多様性、規則性など興味深く勉強でき、「目から鱗が落ちる」気づきもたくさんあり、楽しく、順調に受講できました。この頃やっていてよかったと思える点は次の通りです。

講義ノートをしっかりとり、都度、配布資料や教科書の要点を追加、追記して3冊の分野別ファイルに閉じこんでいきました。このファイルは、後になって頻繁に見返し、どんな参考書にも勝る有力な武器になりました。やはり、授業が基本だと思います。

関連深い科目をまとめて履修したことは有効でした。科目毎の領域は独立したものではなく共通した内容が多くあり、特に、社会・心理・教育の3科目は関係が深く、その点を同時並行的に確認できました。

そこで、言語学-教育法-心理学を3列に並べたマイ年表を作成しました。これは、沖先生が心理の授業で推奨されたのがきっかけです。その年表に各々の事柄、周辺キーワード、人名、そして関連性など等を記入していくと、何となく全体像が見えてきました。そうすると個々の事柄も頭の中で体系づけられて記憶し易くなりました。因みに、このマイ年表は翌年の検定演習科でクラスメートの目に留まり、希望された方に配布したら結構好評でした。

ある先生が授業中に「全体を横断的に俯瞰することが大切です」と再三強調されていました。正にそこがポイントなんだ・・・と納得しました。

そして、講義ノートと過去問を中心に自習で受験勉強して(したつもりで)、いよいよ10月の検定試験を迎えました。その日は雨降る薄暗い一日で、結果も散々でした。試験Ⅰは、過去問は時間をかければ正答できたものが本番では最初の定型問題から??、そのうち時間が無くなりパニック、いわゆる頭が真っ白状態に。後半の文章問題は取り敢えず解答した始末。試験Ⅱは、自分の聴覚(勘)を信じて悠然と構えて臨みましたが、答えに迷っている間にその後の1~2問を聞き逃してしまいました。この試験は見直す時間はありません。試験Ⅲは、文章を読む(字面を追っかける)のに精一杯、問題と格闘している感じで余裕がなく、問いの主旨をよく捉えられませんでした。

時間配分のミスが大きかったようですが、他にも後悔することがいろいろありました。

 ・用語の記憶や表面的な知識詰め込み中心の準備(本質的な内容の理解不足)
 ・1設問毎にマークシートを問題用紙の上に出してマーキング
  (確実にとの思いに反して時間ロス発生、さらに、問題に対する集中力も途切れ途切れに)
 ・問いの「最も適当なもの」と「不適当なもの」との取り違え(早とちり、答えが真逆)
 ・周りに過敏(隣人がどんどんページをめくる音がパニックに拍車)
 ・気分転換なし(当日雨で、トイレ以外は教室内)

不合格に落胆したものの、来年再チャレンジすればいいと一念発起。その後、3月に養成講座を修了、引き続き4月から地域の団体に入会しボランティアで教え始めました。そして、1回目の「試験を甘くみた」反省から、7月から検定演習科を受講し2回目の受験に備えました。検定演習科では、沖先生から全分野のポイントを漏れなくコンパクトにご指導頂き、理解が深まりました。また、模擬試験も予行演習として大いに役立ちました。

そうこうしている間に、2013年10月の2回目。当日は爽やかな晴天、今回は時間配分に気を使いながら落ち着いて受験できました。問題文とも格闘するのでなく下線を引きながら素直に読めました。ただ、試験Ⅰは、模擬試験で8割とれたので自信があったのですが、本番では見直して修正した挙句間違いのパターンを連発し、大苦戦。やはり、はっきりした根拠なしに何となく違うかなと曖昧に修正することは避けた方がいいようです。

1回目と何が違ったか・・・、検定演習科受講はもとより、以下が思いつく点です。

 ・時間配分に注意(迷った問題は時間かけず「?」を付して解答して次へ、後で見直し)
 ・問題用紙に解答マーク、まとめてマークシートへ転記(問題に集中、転記ミスに注意)
 ・(試験Ⅱ)合間みて、答欄の声道断面図の音と音声記号表を余白にメモ(有効な手掛かり)
 ・(試験Ⅲ)字面を追うのではなく大意をスキミングし、教室場面を想像して「実際に教えるとし
  たら・・・」を考えながら解答(ボランティア活動していたのが多少は奏功)
 ・試験会場持ち込みは検定科資料ファイルのみ(簡潔に直前チェックでき、安心)
 ・気分転換・リラックス(1時間前に着いて教室、トイレ、喫煙所ほか会場内を入念に下調べ完了。
  勝手がわかり、屋外での昼食、休憩など時間的、気分的に余裕)

加えて、次はお薦めです。

・アークHP「日本語教師のページ-今週の問題」(約480問のバックナンバーは問題自体に要点が網羅されています。「解答→正誤を即チェック→解説で補足」を繰り返し、試験直前には、ランダムに問題を選択して即答できるように意識的にやってみました。)

関連文献(演習科記述対策で問題意識、視野を拡げるためにと紹介されたなかで、特に興味深く、面白かった2冊):「日本語という外国語」(講談社現代新書)、「かなり気がかりな日本語」(集英社新書)


今回の合格通知は、自己採点も途中であきらめてしまった私にとっては全くの驚きでした。それにも拘らず、厚かましくも、1回目と2回目で何が違ったかを中心に自分なりに感じたことを改めて振り返ってみました。多少とも参考にして頂ければ幸いです。

最後になりますが、熱心にご指導頂いた先生方、お世話になったスタッフの方々、そして一緒に勉強できた同志のクラスメートの皆さん、本当に有難うございました。さらに、同年輩のTさん、Oさんとは授業後の懇親会をよく行い、幅広い話題で熱く語らい、楽しい学生生活を送ることができました。深く感謝します。

これからも、日本語コミュニケーションを通して日本の良さを知る外国人親日家がたくさん増えていってほしいものです。そのために、日本語教育の身近な現場で国際親善・民間外交の一端でも担えればと願っています。


内野 周三さん

日本語教育能力検定試験
第27回 平成25年度 合格