アジアの国々は日本が大好き !?

2014/11/19

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堀内 大資さん

日本語教師養成講座
2003年卒業
タイの民間日本語学校勤務


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タイでの授業風景

自分が今暮らしているのは、タイ王国チョンブリー県シーラチャー市というところです。そんなに大きな街ではないのですが、日本企業やその工場がたくさん駐在している街でして、日本人も約二千人住んでいるとのことです。そのため街には日本人向けの日本料理屋などの店がたくさんあります。

学校は街の中心にある、タイ人が経営している小さな日本語学校ですが、下は中学生から上は社会人までいろんな人が学びに来ています。目的も様々ですが、でもみなさん日本語を勉強するにあたっては明確なものをもって学びに来ています。社会人の方は、日本企業で働いている人たちがほとんどですが、日本語が出来るようになれば、自分達の出世や給料に大きく関わってくるので、みなさん真剣に学んでいます。学生も日本語が出来れば日本企業に就職出来て、高い給料を貰えるという目的があるので真剣ですね。とにかくここでは、日本語が出来るという事がそのまま日本企業に就職するというエリートコースに繋がるので、日本語教育の需要はかなりあると言っていいと思います。教育ママみたいな親に連れられて、小中学生の子ども達もよく説明を聞きにきていますし、ここの人たちにとっては、英語よりも学ぶべき必要な言葉なのかもしれません。最近では日本企業から直接、日本に連れて行く研修生の教育の依頼などもきていますし、結構忙しくしています。

もちろんここの街は、タイの中でも特別な場所ですが、でもこれからも日本企業や工場なども増えていくでしょうし、中国からも大分移転してきていますので、きっと製造業も日本語教育もこれからは東南アジアがトレンドになっていくのではないかと、強く感じております。そういったビジネスの部分も除いても、この国の人たちは皆ものすごい親日で、どこに行っても日本人というだけで興味を持たれるし、歓迎してくれます。日本文化やマンガやアニメ、映画、ドラマ、音楽などの日本のエンターテイメントに興味を持って日本語を学びに来ている人もとても多いです。特に女の子にはジャニーズのファンなどがたくさんいます。

日本では中国、韓国などの反日感情の影響で、全てのアジアの国々は日本の事を嫌っていると勘違いしている人が多いみたいですが、実際はそんなことは全く無く、他のアジアの国々はとても親日だし、日本に大きな期待をしてくれています。自分はそんなアジアの国々の想いを知ったとき、日本人としてとても誇りに思いました。そしてその思いに応えたくて日本語教師を目指す決心をしたのです。実は、もともと政治経済や歴史などの分野が好きで、大学では国際経営学を専攻し、現代日本社会や国際情勢などを学んでいたのですが、そういった勉強を通しても、日本語教育というものが、これからの日本、アジアや世界にとって必要なものになるに違いないと考えるようになったんです。これまでタイには延べ一年半ほど居ますが、自分の決心は間違っていなかったという確信がますます高まっていますね。またタイ以外のアジアの国々を訪れた時もそう感じました。これから日本語教師を目指す人達も、国際交流云々というよりもその先にあるもの、つまり、「ただ国際交流がしたい」 ばかりでなく、「日本人のアイデンティティーや誇りを持って、日本人として何が出来るのか?」 をよく考えて海を渡って欲しいです。

なんだか堅苦しいことを言ってしまいましたが、実際、今タイで生徒達にしているのは、伝統文化とは程遠い日本のポップスや芸能人の話ばかりだったりするんですよ。でもそういったものをきっかけに、違う国の人達にどんどん日本に興味を持ってもらい、好きになってもらえたらいいな、なんて思いながら。

私自身も、教育実習でのなんでもないやりとりを通して、理屈じゃないようなところから東南アジアの人々に親近感を覚えたこともあります。ある時、ひとつの文型を教えるのにお菓子を使用して、最初に正解した生徒に、ごほうびとしてそのお菓子をあげる授業をしたことがあります。ところが、他の生徒達にからいっせいに 「わたしもそのお菓子が欲しい」 などと言われ、後日人数分そのお菓子を用意して配ったことがありました。まさかみんなして 「欲しい」 と言ってくるとは思わなかったので驚きましたが、生徒達のそういう素直なところがかわいらしかったです。あと、ベトナムやミャンマーなど、東南アジアの女生徒がとてもきれいだったのも印象に残っています。ほんとに些細なことですが、今自分が東南アジアで教師をしているのも僅かばかりそれが原因かもしれません。

アークは規模が大きい分、講師も生徒も多いので、とにかくいろんな人達と接する事ができるのもメリットですね。自分の場合、かなり授業を詰め込んでいましたので、昼は新宿、夜は渋谷というように校舎のはしごをしていました。それで、各校舎に相当な数の知り合いができたんです。日本語教師はどちらかといえば特殊な職業だし、それをしている人や志す人も何か特徴があるのかと思っていましたが、そんな事は無く本当に様々な人達がいました。正直自分は好きじゃない講師や生徒もいましたが、そのおかげで自分が教師になってからも、この仕事をしているからといってその人に対して先入観を持ったりせずに関わりあえるようになりました。

まだまだ女性中心というイメージの強い職業ではありますが、日本語教師という仕事には男が一生かけてやるだけの価値があります。アークでも、これからもっと男性の受講者が増える事を願っています。