【第11号】 EPAベトナム(看護師・介護福祉士研修事業) 一力 絵美 先生

2015/02/23

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一力 絵美先生
2006年修了生

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第11号 2015.02.23

ベトナム人学習者の笑顔に癒される

EPAベトナム第一陣研修で、1年間のベトナム現地での研修・その後半年のフォローアップ研修・更に2か月の訪日後研修・計1年8か月の研修に携わりました。ベトナムEPAプログラムは先のインドネシアやフィリピンのとは異なり、現地研修で日本語能力試験のN3以上に合格しないと日本に来ることができません。私たちの大きな使命の1つは「N3合格」でした。

計1年8か月ベトナム人候補者達と接してきましたが、ベトナム人はとても人懐っこく、覚えたての日本語を使い笑顔で挨拶をしてくれます。慣れないベトナム生活に疲れてしまった時や落ち込んでいた時に、候補者が元気に挨拶してくれると心が癒され、皆の為に頑張ろう!と奮起させられました。ベトナム人には、そのような人を惹きつける不思議なパワーがありました。

また候補者はEPAという国家のプロジェクトに参加しているという意識や誇りを持っているので、向上心が高く授業も熱心に受けます。しかもN3に合格して日本へ行って働くという共通の大きな目標があるので、候補者同士が協力し助け合いながら勉強していました。

研修中は日本語だけでなく、日本社会に適応できるように日本文化も教えます。一般的な文化・風習・習慣だけでなく日本の職場でのマナーも教えました。最初の頃は日本人の考え方がなかなか理解できず、漠然と理解しただけの様子でしたが、最後の方で「最初は先生が言っている日本人の働き方の姿勢や考え方がわからなかったけれど、先生達の働き方を見ていてだんだん理解できるようになりました。」と候補者に言われました。私たちの地道な努力をわかってもらえてうれしかったです。

文化の違いに戸惑う事もありました。晴天の日に「今日は良い天気ですね」と言うと、「いいえ先生、今日は暑すぎますから良い天気じゃありません」と言われ、曇った日に「今日はあまり良い天気じゃありませんね」と言うと「いいえ先生、今日が良い天気です」・・・というように、お天気一つでも日本人との感覚が異なります。このように、新しい語彙や文型導入をする際に日本人の感覚で提示すると、ぽかんとした顔をされることもありますので、文化の違い、考え方の違いには言語習得の壁になるのだなと改めて言葉を教えることの難しさを痛感し、ベトナム文化理解にも心がけました。

休みの日には町に出かけ、人間観察をしていました。ベトナムコーヒー屋の椅子に座り(道端に椅子を置いただけの店)言葉はわからなくても人の行動を見ていればおのずと国民性がわかってくるような気がしました。また、美味しく安いベトナムグルメも楽しみました。

ベトナム人をはじめとする外国人が日本で活躍しています。私達にできることはそういった外国人の苦労を減らし、一人でも多くの人に日本での生活が円滑になるようサポートすることです。今回、そのような人材育成事業に携わりとてもやりがいのある仕事ができ、私自身も成長できた期間でもありました。私が携わった候補者は、現在日本各地で働いています。時々便りを貰いますが、悩み苦労しながらでも働いている姿を見ると私も励みになります。今後は彼らの活躍を影ながら応援するとともに、これから日本で頑張ってくれるであろう新しい人達へのサポートを続けていきたいと思っています。