海外通信パラグアイ編第6号後編 | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

第6号 後編パラグアイ人って何を食べているの??

2011/11/18

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市川 伴武 先生
パラグアイ ピラポ市
(JICA派遣)

男・日本語教師 パラグアイで『(いき) 』る! 第6号 後編
~パラグアイ人って何を食べているの??~
 

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次に、軽食部門をご紹介します。パラグアイの軽食といったら、二つご紹介したいものがあります。一つは「チパ」です。そして、もう一つは「エンパナーダ」です。

一つ目のチパですが、これはブラジルのポンテケージョに似ている食べ物ですが、簡単に言うと、チーズ風味の硬めのパンです。マンディオーカやとうもろこしの粉とチーズを原料にして作られています。中にはとろけるチーズが入っているものやひき肉が入ってるものもあります。外はカリッと、中はモチモチ。熱々のチパは本当においしいです。一つ40円ほどなのも魅力。チパ売りはどこの町にもいて、バスの中にもよく売りにきます。小腹がすいたときにはピッタリです。

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チパ売りがどこでも歩いています

続いて、二つ目のエンパナーダですが、これは他の南米諸国にもあります。揚げ餃子を南米風にしたようなものです。中の具は各種ひき肉、ゆで卵などです。それを生地で包んで、油で揚げたものです。これもまた中身に塩味がついていて、おいしい。しかし、油がしっかりしみこんでいるので、たくさんは食べられません。が、おやつ感覚で食べられてしまうところがクセモノで、つい手が伸びてしまう庶民の味です。

続いて、スープ部門に行きます。スープで代表的なものは二つあります。一つはプッチェーロというスープ。もう一つはソパパラグアージャ(パラグアイのスープの意)です。

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ホームステイ先のパパが作ったエンパナーダ

一つ目のプッチェーロはこれまた豪快料理で、なんと牛を丸ごと入れて煮込んでしまうスープです。豪快どころの騒ぎじゃありません。シッポだろうが、ヒヅメだろうが、内臓だろうが、ぜーんぶ入ってるんです!正直、クセあります。ですけど、南米を感じる料理でもあります。私もよそわれたものを何も考えずにモグモグ食べていると、「それ、牛の足の先な」とか、「これシッポのほうな」とか何ともファンタスティックな部位説明が飛び込んできます。でも、んまいです。

二つ目のソパパラグアージャはソパ(スープ)という名前がついていますが、実はスープじゃありません。この料理はとうもろこしスープを作ろうとしたのですが、うっかりそのまま煮詰めてしまって結果的に出来たとうもろこし味ケーキです。それが今ではすっかりパラグアイの郷土料理になってしまったという面白い食べ物です。これも今やパーティーには欠かせない料理になっています。うーん、結果オーライってやつですね。こういうところもパラグアイらしい気がします。

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プッチェーロ
いろいろなものが入っています

他には主食系では「ギソ」と呼ばれる牛肉リゾットのようなものや、「タジャリン」と呼ばれる牛肉や鶏肉入りのトマトソースがかかったパスタ、小麦粉を練って油で揚げたもの、甘さで歯が浮きそうなスイーツなど、カロリーメーターがあったら、振り切ってしまうようなものが盛りだくさんです。

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海外通信パラグアイ”>一番右にあるのがソパパラグアージャ

協力隊のホームステイをしているメンバーに、食生活を聞いてみると、だいたい上に書いたものがローテーションで回っているようです。ゾッとしちゃいますね!

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牛のしっぽやひづめや内臓がたっぷり☆

途上国でありながら、同時に世界有数の肥満国であるパラグアイ。みなさん、その理由が少しご理解いただけたでしょうか。JICAの協力隊で派遣された女性は太って帰る方が多いそうです。最高16キロ増というのを聞きました。逆に男性は痩せていく方が多いそうです。かくいう私の場合は日系社会でおいしい和食とビールとアサードに囲まれる毎日。痩せて帰れる気配は今のところ全くございません・・・。

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ギソというリゾットのようなもの

みなさん、日本の食欲の秋、存分にお楽しみにくださいませ。

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日系レストランの自家製ラーメン      和食のお弁当。おいしいです。

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タジャリンというパスタ