No.142 「忠告」あり | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

No.142 「忠告」あり

2021/04/28

春休み中のある日のこと。愛用していたパソコンが最期を迎えた。ここ数か月、起動に非常に時間がかかるようになり、ファイルを開くのにもイライラするほどだった。そして、キーボードがちょこちょこ不調になるに至っては「いよいよか」と覚悟していたのだが。とりあえず様子を見ようと使用継続。ゆえに、オンライン授業のときには、念のためにいつも以上に早めにスタンバイ。日によってパソコンの機嫌にも波が見られたため、常に「最悪のケース」を想定していたのであった。対面授業で緊張することはあまりないが、オンライン授業は毎回、寿命が縮みそうな思いだった。


会議ツールには「ホスト」がいる。ホストがそのプログラムを「開始」しないと、他のメンバーは参加できない。前学期の途中から、クラスによってホストを務めることになった私は、「授業のスタートを遅らせるワケにはいかない」と、行動がますます「早め」になっていった。ある日のこと。その日もホストを務め、特に問題なく終了できたことに安堵しながら、最後に「退室」。いつもならそれで終了なのだが、なぜか画面にメッセージが。「早く入りすぎていませんか」。要は「あなた、なんでそんなに早い時間からスタンバイしてるの? ちょっと落ち着きなさいよ」ということらしい。会議ツールから届いた、ある意味の「忠告」である。以前から「早め」がモットーの私は、いつの間にか「早め」が「早い」に、それがエスカレートし続け「早っ!」になっていたようだ。


ツールからの予想しなかったメッセージに少なからず驚き、「いやいや、起動に時間がかかるんですよ」と言い訳しても相手には届かない。一方的に「せっかち」の烙印を押されてしまったようで、ショックでもあった。そして、春休み中の「そろそろ新学期」というある日、起動のスピードは一気に衰え、まるで「さよなら…」と告げるように、静かに動かなくなってしまった。ネットなどによれば、一般的なパソコンの寿命は約5年と言われているが、購入してから4年半弱。少し短かったような気もするが、あれこれ酷使してしまったこともあり、十分に頑張ってくれた。ありがとう。


そして、新学期を迎える前に、我が家に新しいパソコンがやってきた。実は、パソコンを買い替える前に、プリンターに頻繁に不具合が起きるようになった。安価な機種で、かなりインク代がかさんでいたので、少し奮発して新機種を購入していた。ちなみに、パソコンもプリンターもカードで支払った。と、ある日、カード会社からメールが届く。1回目は「最近、カードで〇万円以上の買い物がありました」。そして数日後には、「最近、ステイホームで買い物しすぎていませんか」。実はパソコンの後、通販で某メーカーの掃除機も買っていた。何だか見透かされているようで怖い…。さて、GW。「忠告」を頭の隅に置き、掃除と衣替え、そして魯肉飯づくりに精を出したいと思っている。



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