No.146 イベントへようこそ
2021/07/19
ステイホームや自粛ムードの中で、なかなか旅行には行けず、ましてや海外旅行など今は夢…という日々が長く続いているからか、テレビで紀行番組が増えているような気がする。中には再放送や再編集した内容も多いのだが、うっかり見逃していたものも多いため、それはそれでありがたい。
先日もBSの番組欄で「サンクトペテルブルク」の文字を見つけ、慌てて録画した。ここはロシアの古都としてその美景が知られている街だ。ロシア在住中に一度行きたいと思いながら、ついに訪れる機会はなかったのだが、名前からして実に魅惑的である。番組は、カメラを手に歩きながら、出会った人たちに声をかけていくというものだが、そこから伝わってきたのは市民たちの熱きサンクトペテルブルク愛だ。自分が住んでいる街を心から誇り、愛することができるなんて本当に幸せなことだ。人々の笑顔を見ながら、こちらまで幸せな気分になった。「早く旅をしたい」と改めて思った。
そんな旅心をくすぐる小さなイベントがあった。学校は6月最終週から7月にかけて1週間ほどの休みがあったのだが、その間の6月30日にオンラインで行われた、1時間のプチ・バーチャル旅行である。選択授業で「イベント企画」の授業をとっている学生によって企画されたものだった。
当初は企画した学生たちではなく、他の学生たちに呼びかけて自由に参加してもらい、各々が考えた旅を発表してもらう、というものをイメージしていたらしい。実際、事前に各クラスに入ってイベントのアナウンスを積極的に行った。が、休み中のイベントに「はい」と手を挙げる学生はおらず、企画した本人たちが急遽それぞれに旅を考え、準備して、発表するということになったそうだ。
さて、当日。開始時間は午後2時。時刻が近づき続々と参加者が集まってきた。見たところ、学校のスタッフや教師が多い。内容は、旅先での写真の撮り方指南でスタートし、世界一周空の旅、ベトナムの料理など、各学生がパワーポイントを使って紹介。それぞれ切り口の異なるメニューでなかなか楽しかった。後で聞いた話では、慌てて準備することになったため、学生にとっては反省点が多々あり、落ち込む学生もいたとのこと。私たち参加者を笑顔にしてくれたことは確かなのだが…。
しかし今、ふと思った。わずか1時間のイベントで、それなりに集中して視聴していたはずが、そのわりには細かいところをあまり覚えていない。もちろん、寄る年波というのもあるが、教師としての職業病に似たものがありそうだ。準備時間が少なかったためか、原稿の漢字が読めずに学生の声が止まってしまうたびに、心の中で「がんばれ!」と念じていたため、自分が思ったほどは集中できなかったのだろう。ちなみに、8月27日には『ARC創立35周年記念文化祭』がオンラインで行われ、彼らのイベントも予定されている。リベンジに燃えているであろう8月に、大いに期待したい。