No.208 気の早い台風
2026/06/17
6月に入ってすぐ、台風6号がやってきた。もっとも、気候変動の時代、いつ何が起きてもおかしくはないのだが、それにしても気の早い台風である。しかも、関東に接近するということで、以前なら「そうは言っても、東京は大丈夫だろう」などと甘く考えていたが、それも通用しなくなった。これまでの経験で「自分は大丈夫」と思う、いわゆる正常性バイアスにはますます要注意なのだ。
ちなみに、台風6号の名称は「チャンミ」。韓国語で「バラ」という意味だそうだ。以前は英語の女性の名前から取られており、「ジェーン台風」「キティ台風」などが記憶にあるのだが、今回は人名ではなく「バラ」である。ふと現在、台風の名称はどうやって決められているのか気になって調べてみたところ、2000年よりアジア独自に14か国が加盟する「台風委員会」が組織され、各国から出された案の中から毎回選ばれているという。日本からは星座名由来の名称が提案されているそうだ。
さて、学校の授業である。台風の進路予報にともなって「オンライン授業の可能性あり」という連絡は来ていたが、「3日、関東に最接近」という情報を受けて、午前クラスの学生には2日の授業後、教室で直接、学生たちに「明日はオンライン授業です。スムーズに入れるようにZoomをチェックしておいてください」というアナウンスがあった。その瞬間、学生からは一斉に「やったー!」と歓声が起きた。たぶん喜ぶだろうという予想のはるか上をいく、実に素直な反応で笑ってしまった。
月曜日から金曜日まで、9時15分からの授業に間に合わせるべく早起きし、ラッシュアワーの電車で登校している学生たちにとっては、オンライン授業はギリギリまで寝ることができ、満員電車のストレスもない、ちょっとした「ご褒美」のように感じたのだろう。あまりに嬉しそうな学生に、アナウンスに入った講師が「みなさん、休みじゃないですよ!」とクギを刺していた。結果的にほとんどの学生がきちんと「出席」したようだ。実は前週の水曜日は運動会。台風に当たらず幸いだった。
私自身は、台風当日は授業がなかったため、朝から情報番組やニュースで台風情報をチェックしていた。いろいろなチャンネルをチェックしていたが、どの番組も気象の専門家が台風の進路予測はもちろん、「なぜこの時期に台風が発生するのか」、「近年、日本を直撃する台風がどうして増えているか」といった解説をしていた。その日は外出しないと決めていたこともあり、気象を学ぶ気分でじっくりと天気図を見ながら、ふと思い出したことがある。大学時代に所属していた登山サークルでは、合宿に向けてさまざまな準備を行っており、ラジオの予報を聞いて天気図に等圧線などを細かく書き込み、天気を予測するという練習もあったのだ。結局、私は何の知識も身についていないが、妙に懐かしい記憶が戻ってきた。遠い昔…まだ「気象予報士」などという言葉もない時代の話である。





