ラクじゃないけど楽しい受験勉強 (川上 美智留)
2009/04/01
前年の12月末、「日本語教育能力検定試験ってどんな問題なのかしら」と、本屋さんで何気なく手にした過去問を購入し、冬休み中に試しに解いてみた。それが始まりです。
420時間コースの半分ほどを終えていたころで、「結構わかる」問題もあるし、「全然わからない」問題もありました。答え合わせしてみると、試験Ⅰは6割弱、試験Ⅱは5割位の出来でした。試験Ⅲは「難しそう」だったので、解きませんでした。
その後は検定については特に何もせず、受験するかどうかも未定のまま。普段の授業をこなすのに精いっぱいでした。本格的に受験対策を始めたのは、7月末に検定演習科が始まってからです。受験を迷っていた私でしたが、チャレンジすると決めた途端、「どうせやるなら、あとで悔いのないよう出来るだけのことはしてみよう」、と、俄然「頑張るモード」に切り替わりました。
まずは、先輩方の合格体験記をじっくり読み、テキストや勉強法など、私に合いそうな方法を考えました。仕事をしながら、限られた時間の中で、あれもこれもと手を拡げすぎると自滅する気がしたので、勉強方法も教材も絞って、そのかわり手をつけたものはきちんと消化しようと決めました。
用意したもの
・日本語教育能力検定試験 過去問題集3年分
・検定演習科テキスト
・合格水準日本語教育能力検定試験問題集
・聴解・音声特訓プログラム
・記述式問題50
・420時間理論編テキスト&講義ノート
・過去問は、演習科の授業内でも解く時間があったので、結果的に繰り返し解いた。
・検定演習科の授業をペースメーカーとして勉強をすすめた。クラスの人たちの真剣さに、常に刺激を受けていた。
・合格水準と小さなノートを常に鞄に入れて持ち歩き、細切れの時間を利用して2回解いた。(1回目は解けない問題があっても、とにかく問題に目を通した)
・聴解は、聴解・音声特訓プログラム2回解いた。アクセントは、何度も解くうちに突然コツをつかんだ気がする。調音点・調音法は、間違える問題はいつも同じような問題だけれど、自分では原因がよくわかっていなかった。そこで、検定演習科テキスト、過去問、聴解・音声特訓プログラム、いままで出合ったすべての問題をコピーして1問ずつ分割し、同種の問題を集めてみた。そうしたら、自分の弱いところや、何がわからないか、がわかった。その種類の問題を何度も練習した。
・記述は苦手。問題集を購入したが、結局あまり使わなかった。
・合格水準問題集を解きながら自分の弱点を見つけ、理論編テキストにその都度戻った。教授法の歴史など、覚えにくいものは講義ノートを拡大コピーして部屋の壁に貼って覚えた。
私は、6月までで、理論の授業はすべて終わっていたので、7月期からは、できるだけ重複受講を心掛けました。(時間の関係で文法・文体と社会・地域だけしか出席できなかったが、余裕があればもっと受講したかった。)
模擬試験は、ぜひ受けるべきだと思います。私は、6月と9月に受験しました。6月は、よくわからないまま受験しましたが、この段階で学んだのは、長時間に及ぶ試験は、知力だけではなく体力も必要だということ。(全部終わった段階であまりに疲れていて自分でも驚いた。)9月のときには、時間配分に注意し、問題を解くのに必要なスピードを体感しました。この2回の経験のおかげで、本番では落ち着いて受験することができたと思います。
検定試験の勉強は、決してラクではなかったけれど、振り返れば本当に楽しい時間でした。アークの先生方の熱いご指導に感動し、背中を押されながら勉強を進めていくうちに、知識が繋がっていくおもしろさを実感できるようになり、結果的に合格できたのだと思います。本当にありがとうございました。
川上 美智留さん