No. 87 もぐもぐタイム
2018/10/04
学校の授業は3時間。前半90分で休憩15分、そして後半90分…という流れになる。その15分間に、学生は競って近くのコンビニに朝ご飯なり、おやつなりを買いに行く。が、どんなにお腹が空こうとも、その波に乗ってコンビニに向かうわけにはいかないのが、教師の辛いところである。
午前クラスの場合、家で朝ご飯を摂るのが早い分、9時15分の授業開始時にはすでに空腹を感じる日もある。予めコンビニで買ったお菓子などを持参することもあるが、つい買いそびれて後悔…というとき、目に入った差し入れのお菓子は、「命の恩人」と言っても(おそらく)過言ではない。もっとも、常にお菓子が置かれているわけではない。最も賑わいを見せるのは、やはり長期休暇の直後だろう。教師それぞれの旅行先や帰省先のお土産がテーブルに並び、空間はちょっとした「おやつフェス」と化すのである。
さて、教師のおやつ選びには、やはり「暗黙の条件」が存在する。何と言っても、休憩時間でも手軽に食べられるもの。または、何か作業しながらでも口に入れられるものが好まれる。手を汚さず、あまり歯につかず、程よい大きさで、辺りに粉などまき散らすことなく食べられるもの、がいい。さらにネームバリューのある銘菓が登場しようものなら、あっという間に売り切れる。先日も、一口チョコの詰め合わせが大好評で、見る見る消えていった。
ところで、おやつは教師だけではなく、学生から贈られる場合もある。一時帰国のお土産が多く、日本人にとっては「未知のもの」も少なくない。ゆえに、中には「これは一体?」と、すぐには手が伸びない場合も。そんなときは、教師同士で「もう食べました?」「えぇ、けっこうおいしいですよ」「じゃ、私も食べてみよう」などと軽くさぐり合いつつ、一口。学生の気持ちはできるだけ無駄にしたくないという思いは皆あるが、それでも残ってしまうものがあるのも事実。「みんなの口に合う」というのはけっこう難しいものだ。
ちなみに、お菓子が置かれるスペースは私が座っている席のすぐ近くにあり、そこに何もないと寂しい気分になる。だからというわけではないが、明日お菓子を持って行こうと思う。お土産ではなく、以前スーパーで買ったもので、小袋入りなので食べやすいはずだ。では、なぜ自分で食べないのか。大きな声では言えないが、実はダイエットを始めたからである。だから人を太らせようなどという邪心はない。と、この場を借りて断言しておきたい。