No.148 みんなにブラボー! | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

No.148 みんなにブラボー!

2021/09/26

オンライン授業が続くと、当然ながら自分が担当しているクラス以外の学生にはなかなか会えない。たとえ対面授業が行われても、できるだけ接触を避けるために、授業に時間差が設けられていることもあって、エレベーターや階段で学生に遭遇することもほとんどない。昨年春からのこの状況に慣れてしまったものの、やはり寂しさを感じずにはいられない…そんな中、8月27日にオンラインで開催された『ARC創立35周年記念文化祭』は、日頃の思いも相まって、実に貴重な時間だった。

 

数日前にメールでタイムスケジュールが送られてきた。9時30分からの午前の部と、13時からの午後の部があり、各クラス45分という持ち時間で「出し物」が記されている。午前と午後の部、それぞれに開会式も設けられ、そして午後の部ラストの閉会式をもって終了、という流れだ。さっそく印刷して、ざっと眺めてみた。今期、私が担当しているクラスは3つ。タイムスケジュールでは、同じ時間帯に3クラスずつとなっていて、担当しているクラスは時間が異なっているので全て見ることができる。まずは、その3クラスに〇をつけた。「町の紹介~私の国を知っていますか?」「料理教室」そして「大学情報教えます!」という内容になっていて、早くも学生たちの顔が浮かんでくる。

 

できれば他のクラスもすべて見たい。きっと、この日のために練習を重ねてきたのだと思うとなおさら、少しでも覗いてみたいと思う。オンラインでは「参加人数」がはっきりわかるので、もちろん少しでも多いほうが学生たちの励みになるだろう。が、ふと思った。あまり頻繁に出入りしていると、「面白くなかったのかな」と学生に思わせたりしないか…。結局それはせず、じっくり選んで、1クラス45分で楽しむことに。中には学生たちの歌声をPV風に仕上げるという動画もあり、「もう一度見たい!」と思うほどであった。こんなふうに楽しめるなら、オンラインも悪くないなと思う。

 

パソコンの前に座ったまま、お昼もさっと済ませ、気がつけば16時。「楽しい時間はあっという間」と言うが、まさにそんなひとときで、最後には画面に向かって笑顔で拍手を送っていた。

 

ふと5年前の創立30周年を記念した文化祭を思い出した。テーマは「つながる」。この連載エッセイでも紹介しているのだが(No.38)、そのときは校舎内で各クラスのカフェ、成果発表会、ゲーム大会など工夫を凝らした出し物が楽しめた。中でも私が楽しみにしていたのが、担当クラスのベトナム麺料理「ブンチャー屋さん」であった。これが人気で、会場は大賑わい。学生たちがしっかり役割分担をして、イキイキと、テキパキと、普段とは違う表情で働いていた姿がとても懐かしい。

 

今回の文化祭も、カタチは違ったけれど、学生たちの頑張りは十分に伝わってきた。学生たちにとってもこの日の達成感が自信につながったはずだ。みんなにお疲れさま。そして、ありがとう。