No.158 つれづれなる10連休 | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

No.158 つれづれなる10連休

2022/05/09

今年のゴールデンウィーク、キーワードは「3年ぶり」であった。全国的に、緊急事態宣言も、まん延防止法もなく、とりあえず自由な空気の中で迎えることができたのは何よりだった。それだけに、おそらく多くの人たちが移動するであろうと予想され、遠出をするのは…ということで、個人的には昨年とさして変わらぬゴールデンウィークとなってしまったが。改めて「ダメだ」と言われて「できない」のと、「どうぞ」と言われて「しない」のでは、気分的に大きな差があるものだと思った。


学校は10連休。その連休の直前、久しぶりに大学のサークル仲間で集まった。前回みんなで集まったのは、2年前。例年、春や夏に集まっていたのだが、2年前は珍しく「新年会」と称して鎌倉へ出向いた。「今年も無事に過ごせるといいね」などと話して別れたのだが、まさかすぐそこまでコロナ禍が迫っていたとは…。そんなこともあって、久しぶりのランチの集いとなったのだ。年を重ねながら、時おり仲間で集まって、笑いながら近況を語り合えるのは、実に幸せなことである。


さて、日本語学校の「仲間たち」である。前回は「きらっきらの目」ということで、1年越しでやっと入国できた学生たちについて紹介した。その後も一人、また一人と無事に入国を果たし、教室組に仲間入りできている。新しいメンバーが増えるたびに、みんなの目がさらに輝く。「会いたかった!」という思いから、嬉しさを隠しきれないといった歓迎ムードだ。お互いの顔がよく見えるようにと、机をV字に並べていることもあり、クラスの一体感もマックスといった感じである。


そんな彼らにとって、来日して間もなくの10連休は、願ってもない時間になっただろう。環境が変わった中、この機会に心身のコンディションを整えるのもよし、「仲間」と遊びに行くのもよし、これまでの授業の復習をするのもよし…。休み時間に、さっそく一緒に遊びに行く約束をしている彼らを見ながら、「感染に気をつけてくださいよ」と言いつつも、微笑ましく、こちらもつい頬がゆるんでしまう。連休明け翌週には、ようやくクラス全員が揃う予定だ。その日が待ち遠しい。


ところで、連休前に家の本棚を整理し、ある物と「再会」した。数年前に大ヒットしたドラマのDVDである。当時ドラマにハマった私は、最終回で告知された「DVD発売!」に即反応。発売は数か月後にもかかわらず、勢いで1万8千円の商品を申し込んだ。が、届く頃には熱が冷めていたのである。久しぶりに手にとってみたものの、「見たい」という感情が湧いてこない。そこで、古本ショップのサイトで「相場」を調べてみた。新品同然ゆえ「1000円くらいか」と踏んだが、なんと結果は「50円」。「在庫多数」とのことである。ならばせめて、と半ば無理やり学校に寄付させてもらった。お金が貯まらない人の特徴は「無駄な出費が多いこと」だそうだ。しっかり肝に銘じたい。