日本語教員試験とは? おすすめの勉強法
2024/12/27
2024年4月より国家資格「登録日本語教員」の制度がスタートし、新しく「日本語教員試験」が実施されることになりました。初回の試験は、2024年11月17日(日)に行われました。
今回は、日本語教員試験の概要と初回試験の結果、試験の勉強の仕方をご紹介します。
日本語教員試験とは
日本語教員試験は「基礎試験」と「応用試験」で構成されています。
基礎試験
日本語教育を行うために必要となる基礎的な知識と技能が区分ごとに出題されます。
制限時間120分で、1問1点で100問、計100点の出題です。出題形式は選択式(マークシート)です。区分とおおよその出題割合は以下のようになっています。
区分 |
おおよその出題の割合 |
---|---|
1 社会・文化・地域 |
約1~2割 |
2 言語と社会 |
約1割 |
3 言語と心理 |
約1割 |
4 言語と教育(教育実習を除く) |
約3~4割 |
5 言語 |
約3割 |
合格基準は、各区分で6割の得点があり、かつ総合得点で8割の得点が必要となっていますので、どの区分も満遍なく、確実に知識を身に付けておく必要があります。
応用試験
基礎的な知識と技能を活用した問題解決能力を測定するため、教育実践と関連した出題がされます。
区分横断的な出題となるため、基礎試験のような出題の割合は示されていません。
試験の構成は、応用試験Ⅰ(聴解問題:50分で50問)と応用試験Ⅱ(読解問題:100分で60問)となっています。1問1点で計110点、選択式(マークシート)の出題です。合格基準は、総合得点で6割の得点があることとされています。
聴解問題は、日本語学習者の発話や教室での教員とのやりとりなどの音声を用いて、実際の教育実践に即した問題が出題されます。
「試験ルート」で登録日本語教員を目指す方は、基礎試験と応用試験の両方に合格する必要があります。
「養成機関ルート」や経過措置を利用して登録日本語教員を目指す方は、応用試験に合格する必要があります。
令和6年度の日本語教員試験の結果
令和6年度の試験は、2024年11月17日(日)に行われました。
試験結果は以下のとおりです。
受験者数 |
基礎試験合格者数 |
応用試験合格者数 |
合格率 |
|
---|---|---|---|---|
試験ルート |
3,681人 |
323人 |
322人(※1) |
8.7% |
経過措置Fルート |
266人 |
44人 |
44人 |
16.5% |
基礎試験免除者(※2) |
7,750人 |
免除 |
4,727人 |
61.0% |
(※1)基礎試験が不合格の場合は、応用試験の採点はなし
(※2)経過措置Cルート、D-1ルート、D-2ルートの受験者の合計
基礎試験と応用試験の合格基準点は、以下のとおりです。
合格基準点 |
||
---|---|---|
基礎試験 |
全体 |
区分ごと |
100点中80点 |
【区分1】18点中10点 |
|
応用試験 |
110点中66点 |
試験ルートでは、基礎試験に合格することが非常に厳しいことが伺われます。試験ルートで登録日本語教員を目指す方は、各区分の知識をしっかりと身につけることが必要です。
応用試験の合格率は6割でした。聴解、読解ともにしっかりと試験対策をしておけば、合格を手にすることができると思われます。
効果的な学習方法
日本語教員試験は、「基礎試験」と「応用試験」に分かれていますが、どちらも「必須の教育内容で定められた5区分」が出題範囲となっています。教員試験の問題は公開されていませんが、出題範囲は「日本語教育能力検定試験」と同じなので、「日本語教育能力検定試験」の過去問にしっかり取り組むことは有効な学習方法と言えるでしょう。
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