No.198 雨か、花火か?
2025/08/19
記録的な暑さが続く夏。体温超えはおろか、全国で40℃級も続出するなど、夏はもはや楽しむ季節ではなく、耐える季節になってしまった感もある。そして、猛暑だけでなく、たびたびニュースで取り上げられていたのが「渇水」である。「水不足」などという生易しい表現ではない。渇水だ。実は、私の地元もなかなか雨が降らず「雨乞い」などという言葉も出てきたほど。今年だけではなく、2年前の夏にも深刻な雨不足で、夏のシンボルであるヒマワリがまったく育たず、ぐったりと頭を垂れている姿があった。高騰が気になる米の収穫も心配だと、ニュースを見るたびに気をもんでいた。
そんな中で迎えたお盆休み、今年も5日ほど帰省した。家族や友人と会うのも楽しみだが、なんと言っても地元の花火大会が一番の目的である。夜の浜辺で見る花火の宴は、まさに夏のクライマックス。今年もぜひと意気込んでいたのだが、タイミング悪く開催予定日の前後は、ほぼ傘マークが並ぶ。しかも、しっかり開いている傘マークである。本来なら「残念!」となるところだが、今年はまさに恵みの雨だ。花火大会は順延のために2日の予備日がある。結局翌々日の開催で、私は見られなかったが、「おすそわけ」と友人と姉から写真や動画が送られてきた。恵みの雨のあと、花火大会も行われて…結果的にはベストな展開である。願わくは来年は、元気なヒマワリと花火を見たいものだ。
今年の夏といえば、ネットを中心に話題を呼んだのが「7月5日」である。言うまでもないが、「7月5日、日本に未曾有の災いが起こる」という予言だ。個人的にはもちろん心配していなかったが、香港からの飛行機も減便されたという話がニュースになり、台湾に住む友人によれば「その期間の日本便のチケットがすごく安く売られていた」とのこと。また、ロシアに住む友人も「危ないから日本には帰らないで」と家族に懇願されたとのことで、海外ではその予言が信憑性ありと見られていたようだ。その一方で、ロシアから元学生が家族を連れて来日し、3週間ほどのんびり楽しく過ごしていった。信じるかどうかは自由だが、とにかく「7月5日」が「特別な日」にならずホッとした。
ところで、今年は終戦から80年。そのためか例年以上にテレビなどで多くの戦争関連の番組や特集を見る機会があった。私も子どもの頃から戦争について自分なりに学んできたつもりだが、学ぶたびに想像をはるかに超える悲惨な現実を知る。そんな今年の「終戦の日」、私は戦争花嫁をテーマにした舞台『WAR BRIDE』を観に行った。戦後アメリカ兵と結婚し渡米した日本人女性の実話をもとにした舞台である。舞台は予想通り素晴らしいものだったが、驚いたのはセリフの中に出てきた「当時、4万人以上の日本人女性がアメリカに渡った」という史実である。その人たちの人生に思いを馳せるだけで何かが変わる。8月15日、日本人として学ぶべきことが山ほどあることを知らされた。