受験勉強を楽しめたことが勝因 (北口 りさ)

2009/04/01

私の検定までの大まかな流れは、下記のとおりです。

・アークアカデミー横浜校に20年の7月から通い始め、教育実習を
 除く全科目を翌21年3月に終了(重複受講はほぼゼロ)
・4月から7月までは教壇自習のみに集中、7月420時間コース終了
・7月20日頃より検定の勉強を始め、検定演習科を7月末よりスタート
・9月初旬 模擬試験受験
・10月 検定試験受験

全過程をなんとか終了したものの、中間や期末テストだけ何とか付け焼刃的に間に合わせて後はすっかり忘れる、ということの繰り返しでやってきたため、検定試験の勉強を始めた段階では、知識は全く定着しておらず、合格までの道のりはかなり厳しいものになるだろうと覚悟していました。

現在、新米日本語教師として格闘する日々ですが、理論の勉強は検定試験のためだけではなく、現場で必要な知識だったのだと実感しています。特に音韻音声、形態語彙文字のテキストは今も時々開いて確認することがあります。学んだことが実際の授業で役立った時には、検定の勉強をして良かったと思いました。検定の勉強をしていなければ、困ったときに何を見ればいいかさえわからなかったと思います。

怠け者で何ごともぎりぎりにならないと始められない性分の私は、結局勉強を始めたのは7月の終わりも近い頃となってしまいました。私のそんな性格をよく知るアークの学友の方から、とてもわかりやすく色分けされた手作りの音韻音声の表を頂いたことがきっかけで、やっとおしりに火がついたのです。

春先には、別の学友の方のお声がけで、前年度合格された3人の方から体験談を聞く機会にも恵まれました。お話を聞き、自分にあったやり方で迷わずやり進めることが大事だと思いました。実際に勉強を始めるまで、それから3ヶ月以上もかかってしまいましたが、長期記憶は無理でも3ヶ月の短期記憶なら何とか勝負できる、やるからには絶対合格を信じて愚鈍に突き進もう!そして、来年はないものと心に決めました。家で勉強する習慣のなかった私は、近くのカフェ等に行き、一日2時間から一番長い時で4時間くらい勉強する毎日となりました。

まず、一番苦手意識を持っていた音韻音声からはじめました。『聴解・音声特訓プログラム』を早めの段階で一通りやっておきました。最終的に合計3回はやりました。検定演習科を始める前に、アルクの『合格するための本2009年度版』に恐る恐る手を付けました。知らないことだらけだったので、覚えるべきことをルーズリーフに書いていきました。色ペンで視覚的に書く作業自体も楽しみました。

検定演習科は最大限に利用するべきです。演習問題は良問揃いなのは言うまでもありませんが、問題の前に書かれているレジュメがコンパクトに大変によく練られたものでしたので、それを漏らさず覚えるようにしました。それだけでかなりの知識量になりました。そのレジュメや検定演習問題、過去問、模試、その他の問題集をやる中で、まとめのルーズリーフは確実に増えて行き、最後には100ページに及びました。ページ数の増加=新しい知識の増加と単純に喜び、何十年ぶりかに勉強の楽しさを感じていました。

ただ、『合格水準日本語教育能力検定試験問題集』は私にはかなり難しく、やたら時間がかかって途中でやめたくなりましたが、何とか最後まで終えることができました。(二度目をやる余裕はありませんでした。)他にやった問題集は、アルクの『合格するための問題集(2007年度~2009年度)』と過去問3年分です。『合格するための問題集』は、やる予定になかったのですが、過去問が3ヵ年分収録されていると勘違いして買ってしまい、もったいないのでやりました。結果的には問題練習量を増やすことができ、良かったと思います。『合格水準日本語教育能力検定試験問題集』をやった後だったので、易しく感じ、問題処理のスピードアップに役立ったと思います。

過去問は、スピード感を養う為に模擬試験前に少なくとも1年分は解いておくべきです。模擬試験は、何とか時間内に終えられましたが、長時間の試験のため疲れてきて、第三部では開始してまもなく眠くなってしまい、何度もあくびを連発する始末。昼休みにずっと座っていたのもいけなかったと反省しました。模擬試験は当然しっかり見直し、疑問は徹底解決しました。問題ⅠとⅡでのまぐれ当たりもあって、戻ってきた結果が以外に良く、これでもしも本番で駄目だったらどうしよう。。。と、逆にそれからの一ヶ月間が少し重く感じられてきてしまいました。 実力以上の結果に気を緩めないで、ここでしっかり気を引き締め直さなければ、いけないと思いました。それまでは、大体1日合計平均2時間は勉強していましたが、8月終わりからの一ヶ月間は、家族やその他のことでペースが乱れがちになり、4~5日連続何もしないと日々もあり、焦りも感じましたが、毎日思い通りに勉強ができなくて当然、できるときにまとめて取り返せば良いぐらいの気持ちにリセットしました。

記述問題を意識し始めたのは9月中旬になってからでしたが、泉先生の記述の講義は目からうろこで、とても役に立ちました。9月末以降は新しい問題には手をつけず、過去問3年分の二回目をやり、直前は検定演習科の間違えた問題を中心にもう一度全部やり直しました。最後の10日間、聴解はできる限り毎日少しでも聞いて耳を慣らすようにしました。

検定演習科は、とてもよいペースメーカーになってくれたと思います。横浜から池袋まで通いましたが、毎週火曜日が楽しみでした。奥沢先生はいつも元気な笑顔と熱のこもった授業で私たち受講生にエールを送り続けてくださいました。「検定の勉強は勉強のチャンス到来!」「勉強を楽しむ事ができれば合格は近い」というお言葉どおりでした。

3ヶ月間という期間限定の受験勉強を楽しめた、そのことに勝因があったと思います。ただ、さすがに試験前の2・3日はプレッシャーを感じ、「ああ、もう早く終わってしまいたい。」と思いましたが、「これが終わったら“プロ”としての道を歩んでいくんだ。」と思うと、逆に勉強をしていればいい現状がありがたく思えてきました。

試験前の数日は本番に体調も気力もピークに持っていけるよう、気をつけて過ごしました。試験当日は、驚いたことに検定演習科に一緒に通い励ましあってきた仲良しの友達が通路を挟んで隣の席、そして、その同じ列のいくつか向こうには音韻音声の手作りの表をくれた学友の姿もあり、それだけで、もう百人力!と感じました。長時間なので、体力勝負です。模擬の時のように途中で眠くならないように、休み時間には廊下で体を動かしました。昼食後、念を入れてユンケルも飲みました。

実は、問題Ⅰの残り20分ちょっとというところでマークシートの裏にもマーク箇所があったことに気づき、あわてて残りの問題をやり、なんとかぎりぎりで終了するという大ドジをしてしまいました。解答速報で答えあわせをするまでは、駄目だったかも、と不安でしたが、結果的には何とか合格することができ、ほっとしました。これから受験される皆様も、何かアクシデントがあっても、最後の最後まで諦めないで、絶対に合格する!という強い気持ちを持ち続けて下さい。そうすれば運さえも味方に付けることができるのではないでしょうか。

私の場合は、検定終了後3日後から日本語教師としてのデビューが決まっており、その準備の為に「月刊日本語」やその他試験には直接関係のない本も並行して読むことになりましたが、それも結果的には良かったと思います。(試験では実践的なことも問われますので。)

最後になりましたが、教室教壇実習でご指導頂いた利根川先生には、始めた仕事のことに関しても親身なアドバイスを頂くと共に、検定受験に関しても「北口さんならできる。」と力強い言葉を頂き、大変に勇気付けられました。理論科目・検定演習科を通してご指導下さいました奥沢先生には、最後の授業の日の「次は祝賀パーティーで会いましょう」のお言葉どおり、祝賀パーティーでお会いすることができ、とても嬉しかったです。本当にありがとうございました。

アークの先生方や学友、そして家族の支えがあってこその合格だと思っています。検定合格=ゴールではないとは言われますが、これから受験される皆様も、やるからには、絶対合格!を信じて頑張ってください。ご健闘をお祈りしております。

北口 りささん

日本語教育能力検定試験
第23回 平成21年度 合格