No.65 ほやほやの好奇心

2017/11/13

この10月期の担当クラスの中に、3組でほぼ全員が中国からの新入生、つまり10月に来日したばかりというクラスがある。3組は初級だが、それなりに日本人とのコミュニケーションが成り立つレベルだ。「ほやほや」の留学生たちは、目がキラキラしている。念願の留学を叶え、きっと毎日が新鮮で発見の連続なのであろう。ただ電車に乗ったり、コンビニで買い物するといった日常的なことさえ「わぁ、楽しい!」と思ったりしているはずだ。たぶん。


彼らは国で日本語を勉強してきているだけに、日本人や日本の習慣についても、ある程度の知識を持っている。ゆえに、来日して実際に体験したこととのギャップも感じているようだ。目が「教えて、教えて!」と訴えているようで、教師としていつも以上にピュアな気持ちで臨んでいる自分に気づく。


そんなクラスで「異文化」について考える時間があった。10月に日本に来て、日々「?」という疑問や違和感を抱いているだろう彼らにとっては、まさにもってこいのタイミングである。これが、半年ほど経ってしまうと、その違和感が薄れ、今さら言うのが「恥ずかしい」とか「面倒だ」となってしまうものだが、新入生たちは素直に「?」を口にしてくれるから面白い。


さて、彼らが感じた「異文化」にはどんモノがあったのだろうか。日本の電車での携帯マナーの厳しさはよく知られているところだが、それ以外に「公共の場でものを食べている人が少ない」というのも驚きらしい。ある女子学生は、電車でアイスクリームを食べていたところ、他に誰も食べておらず恥ずかしい思いをしたとのこと。乗客たちの視線も、さぞ冷たかったことだろう。


また、レストランなどでサービスとして出てくる水が、いつも「冷たい」ことに疑問を持つ学生もいた。今はコンビニなどで常温の水を売っている場合もあるが、日本では「しっかり冷やすことがサービス」という考えがある。「でも、冬は温かい水(=お湯)のほうがいいです」と学生は譲らなかった。


他にも、国では「日本人はご飯を食べる前に『いただきます』、食べ終わったら『ごちそうさまでした』と言う」と学んだのに、お店では誰もそんなことを言っていないのはなぜか。家族の中で入浴の順番が決まっているのはなぜか、などなど。やはり、留学生が見たリアルな日本は不思議がいっぱいのようだ。そんな彼らの「?」はしばらく続くだろう。その好奇心は、日本語教師としてもピュアな心で日々暮らしたいものだ、と私に思わせてくれる。