No.137 豪雪だより | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

No.137 豪雪だより

2021/01/14

とにかく、1都3県の緊急事態宣言と、北陸地方を中心とした大雪である。年明けのニュースは、ほぼこのふたつで占められていたのではないだろうか。実は、今回の大雪で「雨雲」ならぬ「雪雲」がしつこく停滞していたのが、まさに我が故郷の上空。こうしてパソコンに向かっている間も、テレビからはその地名が連呼されているので、気が気ではない。先日は情報番組の天気コーナーで、日本地図にはいくつか都道府県名が表示されているのだが、我が地元だけ市の名前で表示されていた。まさに、ピンポイント。移動自粛ムードで、年末年始にも帰省できなかっただけに心配である。


連絡してみようかと思って、ふと考えた。「大丈夫?」は、ときとして鬱陶しいものだ。もともと雪国という土地柄であり、しかも山沿いではなく海沿いのエリア。実際に、これまでは大雪のニュースを聞いて、連絡をしてみても「でも、こっちは大したことないよ」というのが姉や友人の返事だった。今回はおそらくいろいろな人から「大丈夫?」が届いているはずで、あえて連絡を控えたほうがいいのではないか…などと、私なりの気遣いのつもりで迷っていると、姉から写真つきのメールが届いた。自宅の裏庭を撮った1枚であるが、そこに写る雪景色は想像を超えていた。積もっているというより、すべてをすっぽりと埋めつくしている、といった感じなのだ。もはや大雪ではなく「豪雪」だ。「まだ降り続いています」とコメントが添えてある。今回は気遣い無用、だったようだ。


私が毎週楽しみにしている番組に、テレビ中国語講座がある。和気藹々とした雰囲気が伝わる大好きな番組なのだが、その中で「お見舞い」についてネイティブの講師が体験談を話していた。曰く、日本人はわざわざお見舞いに行ったとしても、相手の負担にならないように「近くに来たついでに寄ってみました」というような言い方をする。これが、日本に来たばかりの頃は「えっ、ついでなの? 日本人は冷たい」と感じた、というエピソードだった。もし中国人なら「あなたのために時間やお金をかけて、わざわざ来ましたよ」と伝えるのだと、笑いながら話していた。こういう話を聞くと、日本人特有の気遣いの「基準」というのも、これからは少しずつ変わっていくのかなと思う。


さて、学校は今週から授業が始まった。緊急事態宣言もあって、とりあえずはオンラインでの授業となった。このような厳しい状況下ではあるが、3月に卒業を控えている学生も、昨年末に来日したばかりの学生も、ぜひ心身ともに元気に、充実した日々を送ってほしいと心から願う。


故郷での初詣を果たせなかったため、いま住んでいる街の神社に初詣に行った。おみくじは「大吉」。また、ここ数年チェックしている干支と星座と血液型、576通りの組み合わせによる運気ランキングも、今年は25位。今こそ運気を味方につけて、明るくポジティブに進んでいきたいものだ。



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