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日本語業界歴15年、私の最初の一歩

2021/01/25

日本語学校、日本語教師養成講座、EPA事業、日本語教師就職支援なんでも来い。 日本語業界歴15年のベテラン社員が、業界に入ったきっかけを語ります。

留学生Kさんとの出会い

私が日本語教育業界の世界に入ろうと思ったのは、ある留学生との出会いがきっかけでした。

 

今から26,7年前、私がまだ大学2年生だったある日のこと。同じ講義を受けていた1人の男子留学生が、突然話しかけてきたのです。

 

「この間、試験前の授業を欠席したので、ノートを見せてくれないか」

 

彼は、パラグアイから来た留学生でした(以下、Kさん)。ボディービルダーのように身体が大きく、筋肉質だったので、男性目線でも少し怖いくらいのオーラを漂わせていました。そのため、私個人は話しかけずにいましたし、彼もいつも一人でいることが多かったような記憶があります。私は、そんな彼から話しかけられたことに、内心ドキドキしていました。

 

しかし、彼と話をしてみると、どこかぎこちない、たどたどしい日本語で、一生懸命に話します。当時は全く考えたこともありませんでしたが、彼は日本へ来てあまり年月は経っていなかったはずです。いつも一人でいたせいか、日本語の会話にも慣れていなかったのでしょう。私は、彼と会話をするたびに、「この場面でまさかの命令形!?」、「そこで尊敬語!?」といった具合に彼の言葉が気になって、話の内容が全く頭に入ってきませんでした。不謹慎かもしれませんが、私の中で、「笑い」のネタをメモしていたことを今でも覚えています。

留学生のKさんに教えられたこと

今の時代では少なくなったと思いますが、Kさんはまさにかつての「苦学生」の代名詞に相応しい人でした。食費を切り詰め、学校以外の時間は、夜間、早朝と工事現場やコンビニでアルバイトをしていました。そして学校に来ると、授業は寝ずにきちんと受ける(私は、ほとんど寝ている)。空いている時間を最大限に使い、単位を取得して卒業するんだ、という意志を感じました。また、彼の妹を日本の学校に通わせるためにサポートまでしていることを知った時、私は衝撃を受けると共に、彼の凄さを思い知りました。

 

https://yousei.arc-academy.net/wp-admin/post.php?post=9282&action=edit#category-add

彼の将来の目標は、弁護士・司法書士になり、パラグアイと日本のために役に立つ人材になることでした。当時遊び惚けていた私にとって彼は眩しすぎて、何となく自分が恥ずかしかったのを覚えています。私は彼を尊敬していました。彼は留学生だったけれど、私のほうが色々と教わり、学ぶ機会が多かったと思っています。

留学生Kさんの進路、私の進路

大学4年生になり、就職活動が始まる頃になると、Kさんは弁護士・司法書士の試験に向けて勉強に励んでいました。私は人並みに就職活動をし、無事に内定を得ましたが、Kさんの影響で日本語教育に興味があったため、「日本語学校」や「日本語教師の仕事」を調べては、就活生として訪問したり、資料をもらったりしていました。 そうして入社直前まで、本当に今の会社に就職するべきか、日本語教育業界に飛び込んでみるべきか悩みました。しかしちょうどその頃は、日本語教育業界が落ち込んでいた時期でした。結局、たまたま見学に行った日本語教師養成講座の担当者から、「新卒であれば2~3年社会経験してから、という選択肢もありますね」というアドバイスをもらったことを決め手に、内定先にそのまま就職しました。

 

その後、企業で営業職を10年ほど経験しましたが、その間もKさん活躍の便りは常々聞いていました。そのたびに、いつしか日本語教育業界で、彼のように志をもった留学生や外国の方々のために何か役に立つことがしたいという思いが強くなりました。そして、ある時意を決して仕事を辞め、日本語教師養成講座へ通い、アークアカデミーに就職しました。

日本語業界に15年いて思うこと

アークアカデミーでは、留学生の就職サポートから始まり、留学生募集、EPA看護師・介護福祉士候補者に対する日本語研修事業(フィリピン、ベトナム)、日本語教師養成講座の運営、日本語教師の就職サポートなど、多岐に渡る経験を積んできました。それももうすぐ15年になります。

 

今後日本社会は、ますます多文化共生の道を歩んでいくでしょう。私はこれからも、外国の方々の日本語学習支援や日本語教師育成の分野に、貢献していきたいと思っています。

 

いつかパラグアイの空の下で、日系2世・3世の支援のために活躍しているKさんと胸を張って会える日を楽しみに、歩を進めていくつもりです。

 

株式会社アークアカデミー研修事業部 事業部長 大日方 勝弘

 

 

【参考資料】
日本語教育機関数 P2使用
 一般財団法人 日本語教育振興協会
 (日本語教育機関の概況 機関数・学生数の推移,進学者の内訳等)

EPA看護師・介護福祉士候補者に対する日本語研修事業(フィリピン、ベトナム)

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