ひたすら「愚直に!」…でも「楽しく♪」学んだ10ヶ月 (塩野崎 均)
2010/04/01
アークアカデミーの先生方、スタッフの皆様、色々お世話になり本当にありがとうございました。今回の合格は先生方のきめ細かい熱心な教育姿勢とスタッフの皆さんの親切で丁寧な対応のおかげだと思っています。
私がアークさんの戸をたたいたのは今から2年前、2008年の夏。その後どうしようか検討し、入学したのは2009年1月でした。そのころは420時間というとてつもない長さの講座の受講を修了するためにどうしたらよいか、しか考えておらず、検定受験なんてとてもとても別世界の話、そのように思っていました。
その後、様々な講義を受けさせていただき、講義の一つ一つに面白さを感じ、いわゆる道具的動機づけではなく、統合的動機づけとなっていった気がします。つまり、日本語教育と言語を学ぶということそのものに面白さを感じていったのです。
検定を受けようかと漠然と思い始めたのが2009年10月頃だったと思います。講義の合間の休憩時間にアークさんのロビーに置いてある日本語教育に関する月刊誌の検定の問題を眺めたりしているうちに徐々に検定に興味を持ち始めました。
初めて検定に関する問題集を買ったのは2009年12月。年末の休暇から一つ一つ問題を解き始めました。勉強はとにかく「愚直」にコツコツとやること、これしかないと思っていました。問題を解いているうちに気付いたこと、それは解いている問題にかかわりがある課題がさらに別の問題で再度出てくる、しかも同じ切り口である場合もあれば、違う切り口の場合もある、ということです。
そこでまとめ始めたのがエクセルの表でした。「語句」「関連する人物名」「その内容」「掲載場所」という4つのカテゴリーにまとめ、そのことによって、一度出てきた語句が出てきても、それが何だったのか、どこで出てきたのかを再度思い出すことによって、記憶に入れられるのではないか、と思ったのです。地味な作業でしたが、この作業をすることによって、頭の中に「引っかかる」そういう状況ができた気がします。検定までの約10ヵ月間で300語以上をまとめました。出来上がったものがよいのではなく、その過程が私にとっては必要だったのだろうと思っています。
あと、何といっても7月からの奥澤先生と沖先生による対策プログラムです。奥澤先生のパワフルでわかりやすい講義は勉強意欲をさらに刺激されました。第1回目のオリエンテーションで奥澤先生がおっしゃった「いくつかのキーワードとキーワードがどのようにつながりがあるかを意識することが大切」「常になぜなぜを繰り返す」その言葉を聞いた時、それまで半年コツコツとやってきた作業が正しかったのだと確信できました。
この頃から、空いた時間を見つけては問題を解くように心がけました。私、正直、平日は朝8時から夜の8時近くまで会社にいますし、他にも楽器の趣味もありますし、スポーツクラブへも行くようにしています。さて、どこで時間を作ったか。行き帰りの電車の中や駅のホームで電車を待つ時間、仕事の訪問先のロビーでの待ち時間等々。ちょっとした空き時間は探せばあるものですね。平日でも問題を1問でも2問でも多くコツコツと解くようにしました。外出先で見つけた新たな「語句」は家に帰ってから、あるいは週末にエクセルに入力しました。
休日の土曜日、日曜日はまとめて時間を作って、図書館へ行って勉強するようにしました。パソコンを使う勉強は家でもよいのですが、過去問題を時間を計りながらやる時などは家では色々なことが気になってしまい、いっそのこと図書館で周囲が全員勉強や読書をしている環境に入ることによって、「自分の中のスイッチを入れる」ことを心掛けました。
あと一度解いた問題を繰り返し行うこと。これは鈴木紳郎先生も説明会の際におっしゃっていましたが、一度解いた問題でも間違えた問題は再度同じ間違えをするものです。繰り返し繰り返し、しつこく行いました。
もうひとつ、心掛けるようにしたのは、あまり他の人の勉強方法や体験談を気にしすぎないことでした。インターネットを見ると、「未経験で3カ月の勉強で検定に合格した」などのコメントを読むと、勉強する意欲が削がれますから。本当だとしたらその人は特別な頭脳を持っているわけだから、自分には自分のやり方がある、と頑なになったことが結果的には良かったのだと思います。
最後に、私の年齢で合格できたのですから、もっと若い皆さんは少し工夫すれば私よりも楽に合格できると思います。語学に大切なのは「動機づけ」だと学びましたが、検定の勉強も同じだと思います。「資格を取るため」「日本語教師になりたいから」ももちろん大切ですが、それだけではまだ「道具的動機づけ」である可能性があります。「勉強そのものに興味を持つ」という「統合的動機づけ」を自分の中に持つこと、それが一番の支えになると思います。
皆さんの奮闘を期待しています。
塩野崎 均さん