No.199 今年は3校そろい踏み
2025/09/19
9月後半の現在、そろそろ朝晩には秋を感じたいものだが、今年はなかなかそうはいかない。たしかに、少しは気温が落ち着いてきたような気もする。が、同時に湿度がアップし、不快なことこの上ないのである。特に朝。駅から学校まで日傘を差して歩き、学校に着く頃には汗びっしょり。私を含め早めに学校に着いている教師たちは、きまって扇子や団扇を手にパタパタと扇ぐのだが、なかなか汗は引かない。9月下旬から始まる3週間の「秋休み」が終わっても、こんな暑さが続いたまま…ということはないだろうが、この暑さに押されて出番を逃している「涼」に早く会いたいものだ。
そんな中、準備教育課程の卒業生が大阪から学校に遊びに来てくれた。彼女は去年の秋にも来てくれた学生で、今回は月曜日の夕方に一度来訪したが、準備教育課程を一緒に担当していた教師と私が不在だったため、わざわざ翌日にも会いに来てくれたのだ。ありがたい。そして、相変わらずユニークな話しぶりで私たちを楽しませてくれたのだが、驚いたのはあまりにスリムに変身していたことだ。思えば、彼女の行動力には以前から驚かされていた。そして「今度はこれか!」という感じ。持ち前の可愛いキャラクターもあり、キラキラと輝いている彼女の今後がますます楽しみになった。
さて、9月に入ってすぐの金曜日、今年も『ARC日本語学校スピーチ大会』が開かれた。会場は国立オリンピック記念青少年総合センター、と聞くと思い出すのが昨年の大会を直撃した台風だ。会場までたどり着くのも大変だったが、京都校から参加するはずだった学生2人が残念ながら上京できず、録画での参加となったのだ。「今年こそ大丈夫だろう」と信じたが、今回もまた直前に台風予報だった。が、幸い台風の進路も逸れ、京都校の学生2人も無事出場し、ともに入賞を果たした。
今回のテーマは「日本で生きる私~留学生の視点から考える」。1人3分の持ち時間で、東京校、新宿校、京都校の代表16人が出場した。「理想の家族」「留学生の私に『今』をくれた日本語」「“無駄”の中にあるおもいやり」「『やらねばならない』からの卒業」など、多彩な内容のスピーチが続く。入賞は「審査員特別賞」「特別賞」を含めて6人。講評のあと入賞した学生の名前が次々に呼ばれていき、優勝は「目立っても、なじめなくても」というスピーチを披露した東京校の学生が受賞した。内容は、日本では「大きい」と人目を引いてしまう自分についてユーモアを交えた話で、何より発音もジェスチャーも表情も…スピーチとしての完成度が素晴らしかった。文句なしの優勝だろう。
ところで、今回のスピーチ大会は初めて友人を誘ってみた。一時帰国していた、台北の日本語学校時代の同僚だ。さすがスピーチに対するコメントも実に的確で、初めての大会をとても楽しんでくれたようだ。ちなみに彼女曰く「今年は台北より東京のほうがずっと暑い!」とのことである。