No. 85 あぁ夏休み
2018/09/06
夏休み…いい響きだ。特に今年は2週間にわたって授業が休みとなり、久しぶりにゆったり気分で夏を満喫できた。数年前までは、夏休みというより「お盆休み」といった数日のもので、学生からも「短いです~」などと言われたものだが、2週間となれば、これはもう立派な「夏休み」である。
その期間だけ見れば、学期が終わって次の学期が始まるまでに、通常2~3週間のオフ期間はある。が、「〇休み」と名がつくと、また同じ長さでも特別な高揚感があるものだ。しばらく前から笑顔で「もうすぐ夏休みですね」などと授業で話していたが、それは学生にというより「がんばれ、もうすぐ夏休みだ!」という自分自身へのエールだったような気がする。
それが8月4日から始まると知ったとき、私にはあるプランが真っ先に浮かんだ。「念願の花火大会を見る」というプランである。故郷である新潟には、日本三大花火大会に挙げられる有名な「長岡まつり大花火大会」がある。が、私が見たかったのは、日本海に面した地元で開かれる、ごくごく小さな花火大会。会場は海岸で、以前はよくシートを敷いて寝ころびながら、ビールを片手に空に浮かんでは消える「華」を眺めたものだ。
しかし、最近はなかなか見るチャンスがなかった。というのも、開催されるのがお盆の前週だからだ。そして、今年は5日。まさに「行け!」と言わんばかりのタイミングである。ということで、夏休みの前半は、久しぶりに地元の花火を楽しみ、友人たちとも会い、実にのんびりと故郷の夏を満喫できた。海、山、花火、ひまわり、セミ…どれも懐かしくも贅沢な記憶である。
さて、夏休み明けの月曜日。まさに「ブルー・マンデー」である。重い心と体を引きずって学校に向かう。きっと学生たちも同様に休みボケで、心ここにあらずではないかと思いつつ教室に入ると、彼らは意外にも元気だった。特に初級クラスの学生はパワーが倍増しているようにも見える。一時帰国で家族との楽しい時間を過ごしてきたり、日本国内を旅行したり、アルバイトに精を出したり、それぞれ初めての夏休みが充実していたのだろう。
中には、特に休暇中の予定がなく「暇だから、そろそろ学校が恋しいな」と思っていた学生もいたに違いない。とにかく、それぞれの夏休みは終わった。と同時に、再び猛暑に襲われた東京。すっかり緩んでいた心と体に、「ダラダラしてないで、しっかりやれよ!」と喝を入れられた思いがした。