日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
言語習得・発達
登録日
2008年03月04日
問題
次の文章を読み、問いに答えよ。
第二言語(L2)の学習者の言語は、その個人に特有な「個人特有方言」であり、たゆみない仮説形成と仮説検証の試行錯誤を経て徐々に目標言語に近づいていく「近似体系」である。それは、構造的に母語と目標言語の中間に位置するという意味で、(1)は、これを「中間言語」と呼んだ。この中間言語には、(2)や母語の転移などから影響を受けやすいという点で「浸透性」があり、それは学習者が既習の規則に基づいて言語を使用するという点で「体系性」がある。
問1)文章中の(1)に入る適当なものを選べ。
- コーダー
- スキナー
- ネムサー
- セリンカー
問2)文章中の(2)に入る適当なものを選べ。
- 過剰矯正
- 過剰般化
- 形式陶冶
- 実質陶冶
問3)文章中の下線部の立場での誤用の考え方として適当なものを選べ。
- 誤用は排除すべきものである。
- 誤りは指導技術で矯正されるものである。
- 誤用は疲労や注意力の欠如から作られるものである。
- 誤りは学習者に関する重要な情報を提供するものである。
解答
問1)4
問2)2
問3)4
問題解説
問1) |
コーダー=個人特有方言、ネムサー=近似体系、セリンカー=中間言語 |
問2) |
目標言語の一つの規則や意味的特徴を異種類の項目に適用させること。過剰一般化ともいう。 |
問3) |
コーダーの論文(1967)により、それまで言語学習のマイナス要素とみなされていた学習者の誤りが再評価され、学習に不可欠なものとみられるに至った。 |