日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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文法体系

登録日

2004年05月06日

問題

次の文章を読んで、各問に答えよ。

 当該の事態の時を、発話時を基準にして位置づける文法形式を( ① )という。発話時と同じであれば「現在」、発話時より前のものは「過去」、発話時より後のものは「未来」という。( ① )を表す主要な形式は、( ② )の「現在形(基本形)」と「過去形(タ形)」である。
1.( ③ )の場合
 1)現在形は「現在の状態」か「現在までの状態」を表す。「( ⑤ )」
 2)現在形は話者がそうなると確信している時は「未来の状態」を表す。「( ⑥ )」
 3)過去形は「過去の状態」か「過去のある時点までの状態」を表す。「きのうまでいい天気でした」
2.( ④ )の場合
 1)現在形は「未来の時点」を表す。「( ⑦ )」
 2)現在形は「現在の習慣」「思考・感覚表現」「発話内行為」を表す。「( ⑧ )」
 3)過去形は「過去の時点」を表す。「きのう、雨が降った」
3.現在形で( ① )を持たない表現がある。「( ⑨ )」

 

(1)文章中の①~④に入るものを選べ。 

  a. テンス b. アスペクト c. ヴォイス d. シンタクス
>②   a. 主語 b. 述語 c. 対象語 d. 修飾語
>③   a. 状態性の述語 b. 状態性の対象語 c. 動作性の述語 d. 動作性の対象語
>④   a. 状態性の述語 b. 状態性の修飾語 c. 動作性の述語 d. 動作性の修飾語

 

(2)文章中の⑤~⑨に入る適当な例文をそれぞれ一つ選べ。 

a. 来年、私は社会人です。
b. 日曜日に大阪へ行く。
c. 二等辺三角形の両辺は等しい。
d. あそこに犬がいる。
e. 訂正してお詫びいたします。

 

解答

(1) ① a  ② b  ③ a  ④ c
(2) ⑤ d  ⑥ a  ⑦ b  ⑧ e  ⑨ c

問題解説

[発話行為・発話内行為・発話媒介行為]
・発話行為 ( speech act )
「お父さんが帰ってきたよ」というような行為。すなわち、単に何かを言う行為を指す。

・発話内行為 ( illocutionary act )
「お父さんが帰ってきたよ」という発話の中で、お父さんという一人の人物が「帰宅した」行為。すなわち、発話の中でなされる行為を指す。

・発話媒介行為 ( perlocutionary act )
「お父さんが帰ってきた」から、「お茶でも入れようか」とお茶の準備を始めたとする。この「お茶の準備」という行為を、発話が引き起こした行為、すなわち発話媒介行為という。

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