日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語の構造一般

登録日

2004年07月22日

問題

次の文章を読んで、後の各問に答えよ。

 人間が認識することのできる音形などの表象(一般に知覚や記憶などをもう一度頭の中で思い描いて再現すること)に意味が与えられているものを( ① )という。( ① )は、硬貨の表と裏のように二面性を持っている。ソシュールはこのことを表して音形を( ② )、音形が表しているもの(意味)を( ③ )と呼んだ。この音形と意味の繋がりだが、たとえば「山」という単語について、その意味に対応する音形は/yama/である必然性はない。他の音の連続でも構わなかったはずである。このように( ② )と( ③ )との間に必然的な関係がないことを言語の( ④ )という。もう一つの例を見てみよう。日本語の「兄弟」とドイツ語の“geschwister”では、表すものは同じではない。ドイツ語の“geschwister”に等しくするためには、日本語では「兄弟」と「姉妹」が必要になる。この場合、ドイツ語にはない区別が日本語では必要になるわけだ。⑤それぞれの言語でそれが表される意味の範囲が異なるのである。
 

問1.文中の①~④に入る適当なものを選べ。
 a.象徴    b.所記  c.比喩性  d.恣意性  e.能記  f.記号
 g.絶対性  h.統合
 

問2.下線部⑤について、英語の“water”に当たる語の意味を日本語で表現するにはいくつの語彙が必要か(ごく一般的な意味の“water”であることを想定すること)。
 a.1  b.2  c.3  d.4

解答

問1. ① f  ② e  ③ b  ④ d
問2. b

問題解説

問1. 選択肢では訳語を使ったが、一般的には「能記」は「シニフィアン」、「所記」は「シニフェ」と呼ばれる。
問2. 英語の“water”を日本語で表すと「水」と「湯」の二つの語彙が必要となる。

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