日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
文法体系
登録日
2014年03月11日
問題
*この問題は2006年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。
次の文章を読み、問いに答えよ。
文を成立させる要素に二つのものを区別する考え方がある。例えば、寺村秀夫は『日本語のシンタクスと意味』で、「コト」と「 ① 」に分けており、仁田義雄は『日本語のモダリティと人称』で、客体的な部分である「言表事態」と、話し手の立場からのかかわりを表す「 ② 」とに分けている。
問1) 文章中の「①」「②」に入る適当なものを選べ。
①: 1. ムード 2. テンス 3. アスペクト 4. ダイクシス
②: 1. 言表態度 2. 言表陳述 3. 言表職能 4. 言表叙述
問2) 次の文の「ものだ」の意味が、他と最も異なるものを選べ。
- あの難関をよく突破したものだ。
- 試験のときぐらいは、勉強をするものだ。
- そういうことは、事前に伝えておくものだ。
- 道で会ったら、挨拶ぐらいするものだ。
解答
問1) ①1 ②1
問2) 1
問題解説
問1) | 寺村秀夫は、補足語と述語動詞の格関係の分類を試みた「コトの類型」でも知られる。文は事柄とも言うべき客観的素材の部分(=コト)と話者の主観的な言語態度(=ムード)の部分に分かれるとした。 これと同じ概念を仁田義雄は、「言表事態」と「言表態度」と呼んだ。 |
問2) | 1だけが、感動・詠嘆を表す。他は、当為(あるべきこと)のムードを表わす。 |