日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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形態・語彙体系

登録日

2014年06月17日

問題

*この問題は2006年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。

 

次の文章を読み、問いに答えよ。

 語の変化は、語形の変化と語義の変化の両面に分かれる。語形も語義も時代の推移につれて異なった様相を示す。
  語形の変化には、A:マシロ(真白)→マッシロのような「音の添加」、B:ハチス(蓮)→ハスのような「音の脱落」、C:ケブリ(煙)→ケムリのような「音の交替」、D:シダラナイ→ダラシナイ(だらしない)のような「音の転倒」などがある。その他、同音衝突を避けようとする結果、あるいは語の長さの安定を強化するために形が変わってしまったと考えられる類のものもある。 また、イッショケンメイ(一所懸命)→イッショウケンメイ(一生懸命)のように、伝来の形を解釈しなおした(いわゆる)ものや、アシ(葦)とヨシの関係のような、タブーによって異なった語形が生じるなど、変化の原因もさまざまである。
  語義の変化については、一般に「瀬戸物」(瀬戸の陶器→陶器一般)のように意味を拡大するもの、「衣」(衣服→僧衣)のように意味が縮小するもの、「貴様、お前」のように時代の流れとともに敬意が失われてしまう、などというものもある。
  今日でも、その使用が問題になるものがいくつかある。もともとは「やる」の敬語であった「あげる」が、特に女性の言葉としては普通語のレベルになり、逆に「やる」が乱暴な、上品ではない言葉として意識されるようになったとか、「気のおけない人」が従来とは逆の意味で用いられるようになったとか、現段階では、まだ誤用とされるものの中にも、やがてはそれが一般的になってしまうものも生まれていくであろう。

 
問1) 文章中の下線部についての例を挙げた。最も適当なものを選べ。

  1. コ→コナ(粉) 
  2. ハヘ→ハイ(蝿)
  3. ケフ→キョウ(今日)
  4. タネ→ネタ(種)


問2) 文章中のにはいる最も適当なものを選べ。

  1. 俗語使用
  2. 選択制限 
  3. 民衆語源
  4. 内部借用


問3) 文章中の下線部③についての説明として最も適当なものを選べ。

  1. 本来は「気を許せない人」の意味であったが、最近は「気楽に付き合える人」の意味で使われている。
  2. 本来は「気位の高い人」の意味であったが、最近は「気を許せない人」の意味で使われている。
  3. 本来は「気楽に付き合える人」の意味であったが、最近は「気を許せない人」の意味で使われている。
  4. 本来は「気品のある人」の意味であったが、最近は「気丈な人」の意味で使われている。
     

解答

問1) 1
問2) 3
問3) 3

問題解説

問1) 粉、子の同音衝突を避けるため、粉はコナ、子はコドモと形が変わったと考えられる。
問2) 民間語源、民族語源、語源俗解ともいう。

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