海外通信パラグアイ編第9号 | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

第9号 番外編:夏休みに中南米を巡る

2012/02/23

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市川 伴武 先生
パラグアイ ピラポ市
(JICA派遣)

男・日本語教師 パラグアイで『(いき) 』る! 第9号
~番外編:夏休みに中南米を巡る~
 

こんにちは!
みなさん、寒い日本の冬、いかがお過ごしでしょうか。こちらパラグアイは真夏です。毎日うだるような暑さが続いています。エアコンのない家で毎日汗だくになりながら、寝ようと努力している男・日本語教師です。

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16体目のモアイ?

12月~1月にかけては毎年、学校は長い夏休みに入ります。私も最後の南米での夏休みでしたので、思い切って休みを取り、チリはイースター島、メキシコはカンクン、アルゼンチンはパタゴニア地方と周れる限り、目いっぱい周ってきました!

今回は番外編ということで、中南米の簡単な旅行記にしてみたいと思います。

まず、年末に向かったのが、チリのイースター島です。モアイで有名なあの島です。

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モアイ像の前で

チリの首都サンティアゴから西へ3,700kmほどいったところにあります。飛行機で3時間半と案外遠いんです。しかし、その島は島全体が別世界でした。約900体のモアイが今でも存在し、島を見守っているようでした。

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倒されたモアイ像

しかし、モアイを切り出す山には、作っている途中のモアイがそのまま残されていたり、また、完成したものの運び出せず、無造作に置かれているモアイが無数にあったりと何とも言えない物悲しさも漂っています。食糧不足から起きたとされているモアイ倒し戦争の結果、倒されたとされているモアイや、倒れたモアイの上にさらに台座を敷きモアイを立てている場所などは必見です。朝や夕方などは特に神秘的な雰囲気に包まれた歴史多きイースター島、ゆっくりと過ごしたい方にはオススメです。

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モアイ像と並ぶ

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夢のような朝食風景

続いて、新年早々向かったのが、メキシコはカンクンです。ここは日本人のハネムーンで使う場所としても有名な場所です。海がないパラグアイで過ごしている私はどうしてもきれいな海が見たかったので、ここを訪れることにしました。また、マヤ文明が誇る建造物、チチェン・イツァを見学することも一つの目的でした。最初に泊まったのはカンクンから定期船で30分ほどの位置にある、イスラムへーレスという島です。小ぢんまりした島で1日あれば1周できてしまいます。ゴルフカートも借りられるので、島周遊には不便はありません。夕暮れ、砂浜&海のきれいさは筆舌に尽くしがたく、食事も海鮮物が新鮮で、まさに「パラダイス」を感じます。

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早朝のイースター島の基地

カンクンのセントロへ移動してもその美しさは見劣りしません。陽気なメキシコ人はとっても人懐っこく、スペイン語を勉強していてよかったと思える瞬間がたくさんありました。

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魚が集まるきれいな海

マヤ文明の集大成「チチェン・イツァ」、それはそれは壮大でした。古代マヤ人は数学的・天文学的能力が発達しており、このチチェン・イツァは四方の階段がそれぞれ91段ずつあり、それが四面なので、91段×4=364段。最後に最上部の一段を足して、365段という風に既に1年の暦を建物で表現していたのです。景色、食べ物、人、歴史、建造物、どれをとっても楽しめるメキシコでした。また訪れたい場所です。

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海鮮物もおいしいメキシコ

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陽気なメキシコ人と

最後に向かったのが、アルゼンチンのパタゴニア地方です。パタゴニア地方とは南アメリカ大陸の南緯40度付近を流れるコロラド川以南の地域の総称だそうです。かなり広大な範囲になります。私はその中のバルデス半島と氷河が見られる南部のエル・カラファテの二つを中心に周りました。バルデス半島ではペンギンの大集落があるということで、見てきました。確かにとんでもなく大きな集落で、信じられないほどの数のペンギンが存在しました。私たちが集落の中に迷い込んでしまった感じになります。ですので、ペンギンは自由気ままに動き回りますし、人間を怖がりません。それゆえ、あるがままのペンギンたちの姿を見ることができます。ペンギン好きな方はぜひ訪れてみてください☆

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チチェンイツァ遺跡の前で

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マヤ文明の建築美

そして、この旅の終着点エル・カラファテです。この町からは氷河を見に行くことができます。クルーズ船で全ての氷河を周るツアーに参加してきました。周囲の自然のどっしりとした落ち着き、氷河の雄大さ、ぶれない強さと鋭さ、畏敬の念を感じずに入られない堂々たる姿・・・。正直、ここまで自分自身が圧倒されるとは思っていませんでした。言葉が出ないというのはこのことでした。他に何も音がしない場所で息を呑み、氷河が崩落する瞬間をじっと見つめたり、氷河になってから最前面に出てくるまでの気が遠くなりそうな時間に思いを馳せたりしていると、人間としての要らぬ自尊心や虚栄心などが全て吹き飛ばされていくようでした。人生観が変わるというのはこういうことだと感じました。

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ペリトモレノ氷河

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ペンギンとお話しました

この3つの国での旅行は私にとって本当にお金では代えられない経験でした。任期中にパラグアイの活動を軸として、ブラジル、チリ、メキシコ、アルゼンチンを訪れることができました。任国パラグアイ以外の国を少しでも知れたことは私にとっての大きな財産になっています。残り数ヶ月の活動、改めて気を引き締めていかなければと強く思いました。

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ペンギンたちがこっちへ向かってきます

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間近に氷河を見ることができます

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氷河崩落の瞬間!

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氷河をガブリ☆

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果てのないパタゴニアの道路で