【日本語教師の働き方】きついって本当?
2019/10/25
日本語教師は、日本語を教えながら海外の人たちと交流したり、日本文化の素晴らしさにあらためて気づけたり、とても感動の多い職業です。
ところで、「日本語教師はきつい」という噂を聞いたこと、ありませんか?
このネガティブなイメージは、本当なのでしょうか?
日本語教師はきついって本当?
日本語教師として大変なのは最初の1、2年と言われます。右も左もわからない駆け出しの頃から、学習者たちを引っ張っていかなければいけない立場になるため、かなりエネルギーが必要かもしれません。
働き始めた当初は、日本語教師としての経験がないわけですから、授業準備などが大変に感じるのは当然のことです。しかし経験を積めば積むほど、準備の負担は軽くなりますし、教育スキルもあがって余裕が出ます。その点を考えると、続ければ続けるほど、どんどん効率的に働けるようになっていけることは間違いありません。最初のころのきつさ、大変さがずっと続くわけではないのです。日本語教師だけが特別にきついわけではありません。長期的、総合的に見れば、大変さは他の職業とほとんど変わりません。
常勤講師と非常勤講師の違い
日本語教師として働く形態は、主に常勤講師と非常勤講師の2つです。
簡単に言えば、常勤講師が会社で言う「正社員」であり、非常勤は「シフト制のパートタイマー」です。
両者の違いについて見ていきましょう。
待遇の違い
企業の正社員とアルバイトの関係と同じで、非常勤教師(時間給)の給料は常勤(月給)よりも少なめです。ボーナスや福利厚生なども、常勤のほうが優遇されやすいです。
ただし、常勤講師はカリキュラム、テスト作成、学習者募集などといった、授業以外の仕事も多く請け負います。仕事量や責任の重さ、授業以外での労働時間なども含めて考えると、一概に常勤講師が良いとも言い切れません。
スケジュールの違い
一般的な会社でも、社員の人は原則的に出勤日数・時間があらかじめ決まっており、アルバイトの人は希望した労働時間だけ働くという関係ですが、それは多くの日本語学校にも当てはまります。非常勤講師の場合は「週3日」とか「午前中だけ」とか、比較的スケジュールに融通をつけながら働くことができます。
フリーランスとして働くことはできる?
フリーランスで活躍している日本語教師もいます。フリーランスになれば報酬や勤務地など、自分で好きなように働き方を決められます。
もちろん、学習者獲得のための営業や人脈作り、それからカリキュラムの作成、経理などといった仕事も一人でやらなければいけません。その点は注意しましょう。
学習者の信頼を得たり、報酬を上げたりするためには、日本語教育能力検定試験に合格しておいたり、日本語教師養成講座という、文化庁指定の授業を修了したりするのはもちろん、何年かの実地経験も積んでおくべきです。
海外で働くか、日本で働くか
日本語教師は日本にある学校だけではなく、海外の日本語学校で働くというスタイルも選択できます。特に東南アジアは日本語教師が不足しているので、働ける職場が見つかりやすい傾向があります。
最近はインターネットなどを利用して、現地に行かずに採用面接を行うケースもあり、応募も手軽になりつつあります。
もちろん、海外で働くためには現地で生活できる語学力があれば尚良いでしょう。為替相場の影響などにも気を付ける必要があります。
まとめ
今回は、日本語教師の大変さや働き方のスタイルについてご紹介しました。
日本語教師になったばかりのころは、確かに大変かもしれません。しかし、それは日本語教師に限ったことではありません。最初の大変な期間を乗り越えれば、フリーランスや海外勤務など、将来さまざまな形で働くこともできる、夢の多い職業でもあるのです。