【卒業生インタビュー:海外勤務】同じ漢字文化圏の中国で日本語を教えるということ | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

【卒業生インタビュー:海外勤務】同じ漢字文化圏の中国で日本語を教えるということ

2025/03/24

和久田 由夏さん
和久田 由夏さん
日本語教師養成講座
2022年3月卒業

2023年から中国湖南省の大学にて日本語を教えています。

以前は中国とは無縁の会社員でしたが、ひょんなことから中国人、文化に興味を持ち、知れば知るほど面白くなり、偏見ある見方ではなく、実際の中国を自分で見てみたいと思い日本語教師の職を目指しました。

日本の日本語学校などで1年間経験を積む中、幸運にも中国の大学に採用され現在に至ります。

アークで学んでよかった点

  • ● 「学習者のための教育者を養成」という信念が感じられる。

  • ● 明るくて非常に熱心な講師陣ばかりでやる気がでる。

  • ● 事務局の方の対応が皆丁寧で信頼がおける。

  • ● WEB講座の内容が高度で、2年間視聴できるため復習に最適。

中国大学生学習者

総じて素直で、教師との距離が日本人よりも近いと思います。人懐っこい学生も多く、不慣れな外国人に対して日常もとても気軽に手伝ってくれ、気遣いに感心させられることも多いです。

大学の授業科目の内、「会話」は全国共通試験に含まれないため軽んじられる傾向があり、苦手意識の強い学生も多く、取り組み姿勢に差があります。携帯を見たりしてサボろうとする学生にも意義を感じてもらえる授業の準備に苦心します。一方、授業以外でも気軽に学生達と食事や遊びに出かけるなど会話の機会が持てるのは、全学生が寮生活の中国ならではかもしれません。夏休みに中国内を一緒に旅行したりもしました。

湖南省作文コンクール後のおにぎり作り体験
湖南省作文コンクール後のおにぎり作り体験

現地での生活

中国はここ数年で電子決済が急速に発達し、路上の市場まで全て携帯電話のアプリで支払えます。というより現金が使えません。また、どんなものでもネットショッピングでの購入が簡単で迅速に届き、日本と同じものなども購入できるため不便は感じません。電化製品から毛染めや化粧品などの日本製品も少し高いくらいで買えます。

また、日本人ということで嫌な思いをしたことは皆無です。商店の人も私のつたない中国語に対して皆親切で、申し訳なく思うくらいです。

【衣】
ショッピングモールなら日本同様、世界中のブランドが入っており、またネットでの購入、返品も簡単です。

【食】
ある程度の大きな街であれば、日本食や各国料理店も多いですが、私の住んでいる所は外国企業も少ない小さな市のため、レストランは中国料理(様々な地方の)がほとんどです。学食は広大で種類も多く不便はないですが、飽きると自炊します。

【住】
中国の大学勤務の場合、多くは大学近くの家具付きの専用アパートが無償で提供されるため安心です。私の場合、教室まで徒歩15分くらいです。光熱費やネット代は日本より格安のため、生活費は少なく済みます。タクシーも非常に安いので皆気軽に利用します。
難点は、水道水が日本ほど浄化されておらず、また私の寮は老朽化で水道管が古いのか、洗濯機を使うと、良い生地がすぐダメになることです。

中国の大学に必ずある池のある公園
中国の大学に必ずある池のある公園

仕事で心がけていること

  • ● 中国人教師とも積極的に交流し、大学や学生について情報交換する。

  • ● 日本を伝えるだけでなく中国についても学ぶ姿勢で接する。

  • ● まずはリラックスして楽しく授業参加してもらえるようにする。

  • ● クラス全員に気を配る。

最後に

中国に来て一年半が経ちましたが、ますます好きになり興味が湧いています。若いころフランスに三年半住んだ経験があり、当然どの国も住んでみないとわからないことが多く、またその時の自分自身の物の見方に左右されると感じています。

日中関係は今までになく厳しい時代ですが、日本語教師という職は、そのような中で友好を深められる貴重な仕事だと実感しています。また、同じ漢字文化圏の中国で、中国語との共通点や微妙な違いを学びながら日本語を教えることがとても面白いです。ぜひもっと多くの人に体験してほしいと思います。