No.188 やっぱり秋が好き
2024/10/15
秋休みが終わった。今年は約1か月近い休みとなったが、果たして学生たちは日々どのように過ごしていたのだろうか。特に、来年3月に卒業を控え、それぞれの進学先を決めなければならない学生たちにとって、まさに「秋休みを制する者は、受験を制する」と言っても過言ではない、非常に大切な時間である。新学期を前に開かれた担当者会議での教務からの報告によれば、学校の指定校推薦を勝ちとってほぼ安心の学生、地方の志望大学に何度か足を運んでいい感触を得ている学生、面接練習のため秋休み中にも度々登校していた学生など…着々と前進している学生もいる。その一方で、ほとんど音沙汰がなく、どのように動いているのかわからない学生もいて、実にさまざまなようだ。
毎年、クラスメートの進路がどんどん決まっていく中で、卒業ギリギリになってようやく「おめでとう」となる学生も少なくない。留学生が増え、大学・専門学校ともに競争が激化している昨今。実力は十分に思えるものの、なかなか合格に至らない学生も多く見てきた。成績が重要なのはもちろんのことだが、それ以上に受験はメンタルの強さがモノを言う。ぜひ、頑張ってほしいものだ。
と、心の中で学生たちにエールを送りつつ、私自身は秋休みが始まって早々、7年ぶりに韓国へ遊びに行ってきた。去年の台湾以来、コロナ禍が明けて2度目の海外である。今回はソウル限定の3泊4日だったが、フライトが朝便出国&夜便帰国だったこともあり、久しぶりに現地の雰囲気を堪能することができた。日本のテレビでも度々紹介されているが、おしゃれなカフェはもちろん、若者の間でも人気を呼んでいるという伝統茶も何度か楽しんだ。また、具たっぷりのふんわり食パンが大人気の店で、朝から長い行列にめげそうになりつつも席を確保し、極上のモーニングを味わった。
実は、今回の旅の目的の一つが、韓国に帰国した元学生との再会だった。渋谷校時代の学生で、かれこれ17年ほど前からの付き合いになる。待ち合わせ場所に現れた彼が、こちらを見て開口一番「先生、お…」と言いかけたので、「お変わりありませんね」と続くのかと期待したが、一瞬の間があって「…お元気そうですね」と笑顔を浮かべた。現在はソウルで日本語を活かした仕事に就いている元学生のとっさの言葉選びに、妙に感心してしまった。7年ぶりなら「変わって」当然だ。とは言え、彼自身もすっかり貫禄のある「アジョシ」に。とにかく、無事ソウルの再会に乾杯したのだった。
ところで、旅行前の情報収集の際、ネットに「韓国で新型コロナウイルス感染拡大」という見出しとともに、マスク姿の人が行き交う写真がアップされていた。心配しつつ現地に入ってみると、マスク姿は皆無で、電車でもほとんど見かけなかった。この夏はソウルも大変な猛暑だったという。街にはマスクではなく、「ようやくやってきた秋を満喫しなくちゃ」というワクワク感にあふれていた。