【卒業生インタビュー/海外勤務】カメルーン便り~あこがれのアフリカから~ | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

【卒業生インタビュー/海外勤務】カメルーン便り~あこがれのアフリカから~

2025/05/16

玉井 真理子さん
玉井 真理子さん
日本語教師養成講座
2023年1月卒業

ボンジュール!

と言っても、フランスではありません?!フランスが公用語のひとつになっている国、カメルーンの日本語学校に赴任して2週間たちました。授業を担当し始めて、ちょうど1週間が過ぎました。

えっ、カメルーンってどこ?

アフリカです、アフリカ!アフリカの西側の真ん中あたりにある国です。

ああ、サッカーが強い国?

日本にいる間、そんな会話を何度もかわしました。

アフリカに行きたくて、アフリカに住んでみたくて、できれば働いてみたくて…長年あこがれてきたアフリカに、念願かなってようやくやって来ました。アフリカに恋い焦がれるようになったのは、「地平線に沈む夕陽を見てみたい」だったような気がするのですが、あまりに大昔なので、起源ははっきりしません。

カメルーンの民族衣装

私は、2022年にアーク・アカデミーの420時間のコースを修了し、2023年に日本語教育能力検定試験に合格し、2024年には登録日本語教員試験もめでたくくぐり抜けて、晴れて常勤の日本語教師になりました。若くはありませんが(学生には100歳と言っています?!)、新米教師です。

日本語学校はカメルーンの首都ヤウンデにあります。カメルーンに来ることになって、はじめてヤウンデが首都であることを知りました。学校は、ダウンタウンからも空港からも車で30分くらいのところにあります。道路は舗装されていません。停電も断水もあります。インターネットも不安定です。

そんなところにある日本語学校ですが、学生はとても熱心に日本語を学んでいます。1年以内にほとんどが日本の日本語学校に留学し、大学/短大、専門学校を目指します。そして日本で就職することを希望しています。夢は、ITエンジニア、自動車整備士、会計士、医師、看護師、介護士、などなど。水質管理の専門家になりたいとか、日本で農業をやってみたいとか、そんな将来を語ってくれる学生もいます。

決して大きな学校ではありません。今は、約50人が3クラスに分かれて勉強しています。入門クラス、初級クラス、中級クラスの3つです。中級と言っても、1年間でN4を目指すくらいですから、基本的には全員初級レベルです。

私が担当することになったのは入門クラス8名で、たまたまですが全員男子です。授業は朝8時から12時までの午前クラス。7時ごろから教室に来て勉強している学生がいるかと思えば、毎回遅刻してくる学生もいます。

使っている教科書は『みんなの日本語』です。私は入門クラス担当なので、ひらがな・カタカナを導入しつつ、第1課からスタート。フランス語がまったくわからず、英語もおぼつかない私は、もちろん直接法で教えるしかなく、おまけに新米も新米なので右往左往。午前中の授業が終わったあと、記録と次の日の授業の準備で午後が終わり、夜は疲れて仕事にならないという情けなさ。

私にとって幸いなのは、私以外に日本人日本教師が2人いることです。アフリカにあこがれているというだけでここカメルーンの日本語学校を選んだのは、同僚に日本人がいるからです。カメルーン歴が長いベテランと、海外歴が長い中堅(年齢不詳?!)は、そりゃあもう頼りになります。校舎の中に専用のトイレ・シャワー付きの教員部屋(光熱費学校負担)があり、3人ともそこに住んでいるので、通勤約10数歩!いつでも相談できます。

2クラス合同の授業の様子
2クラス合同の授業の様子

しかし、やはり一番救われているのは、学生のモチベーションの高さです。私の説明に「わかりません」と言うこともあります。ひらがな・カタカナの書き順をしつこく直す私に、少しうんざりした顔をしたりすることもあります。休憩があるにせよ、4時間の授業に疲れて途中で寝てしまう学生もいます。

でも、でも、でも、なんです!日本語が上手になりたい!漢字をもっとたくさん覚えたい!日本人の友達を作りたい!ベタな言い方ですが、夢があるっていいなあと思います。掛値なしに、夢をかなえて欲しいと思います。何年か後に彼らに日本で会うのが楽しみです。

ちなみにフランス語ができない私は、毎日自分にも宿題を出して、学生に指導してもらっています。学生は「じょうず」という言葉を覚えて、わたしのフランス語が下手でも「じょうず」とほめてくれます。

そんな日本語学校で一緒に働いてみたいと少しでも興味を持ってくださる方、いいえ、アフリカの日本語学校ってどんなところなのか、ちょっとのぞいてみたいという方、ぜひカメルーン日本語学院(Japanese Language Institute Cameroon;略してJLIC(ジェーリック))に一度いらしてみませんか?

参考:フェイスブック(https://web.facebook.com/JLICCameroon)で、今年3月に行われ、地元メディアにもとりあげられたスピーチコンテストの様子などが見られます。