第2号 パラグアイよりお見舞い申し上げます
2011/05/11
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男・日本語教師 パラグアイで『粋 』る! 第2号
~パラグアイよりお見舞い申し上げます~みなさま、お久しぶりです。
まず、東日本大震災で被害に遭われた多くの方に、心よりお見舞い申し上げます。現在、地球の反対側のパラグアイで仕事をしている私も日系社会で働いていることもあり、NHKを毎日のように見ることができます。そして、震災が起きた日からは毎日、NHKとインターネットからは目が離せなく、情報をとにかく集めるという日々が続いていました。このたび起こった日本の未曾有の大惨事をまさかパラグアイから見ることになるとは思ってもみませんでした。
私と同じJICAでパラグアイに派遣されていた東北出身の方もいらっしゃり、緊急帰国を余儀なくされた方もいらっしゃいました。ある方は、まさに自宅付近が津波で流されている映像をここパラグアイで見たそうです。こんなにも遠くにいると、何もできない歯がゆさと無力感とこれまでにない悲しみで自分がここに来た目的すら見失いそうになりましたが、被災者の方の思いを考えると、悲しみにふけっているわけにはいかないと気づかされました。遠くにいながら私たちができることは、募金をすることと、しっかりとここでの任務を果たすことと考え、日々取り組んでおります。
ここ南米日系社会の素晴らしいところは、日本の動きに敏感であるということです。日本で震災があったならば、すぐに義捐金を集める体制を整えます。パラグアイの中にはたくさんJICAの協力隊員が日系社会以外に派遣されていますが、そこでは、まず、日本という国がどこにあるのかからの説明です。そして、地震が起きない、海がない、原子力発電所がないこのパラグアイでは「地震とは」、「津波とは」、「放射能とは」という説明から始まるのです。そして、やっと、日本の人たちの大変さを知り、義捐金を集めようという運びになるのですが、日系社会の方たちはそのあたりの事情をNHKというメディアによって、よくご存知なので、フットワークが軽いのです。
日本から来た一ボランティアの私なんかが何も言わなくても、パラグアイの日本人会のネットワークによって、支援の輪が広がるのです。私の配属先であるピラポ日本人会でも回覧を通じて、地域の方々に義捐金を募り、ピラポ日本語学校でも全校朝会で先生から子どもたちへ震災の話をして、義捐金を募りました。それ以外にも私も現在所属しているピラポ太鼓保存会でもお世話になった日本を応援したいということで、メッセージを発信しています。それらをさも当然のように進めていく日系社会というのは、日本とは絶対に離れることのできない大切な社会だと強く感じました。地球の反対側の日本人、または日本の血を受け継いだ方々は今の日本をとても心配されていますし、また、応援されています。
この「男・日本語教師 パラグアイで『粋(いき)』る!」、今回は少し違った趣旨の記事になってしまいましたが、どうしてもこのことをお伝えしたく、書かせていただきました。第3号からは本来の目的で記事を書いていきたいと思います。
では、¡Hasta pronto!(またすぐに!!) -
市川 伴武 先生
パラグアイ ピラポ市
(JICA派遣)