日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
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総合問題
登録日
2004年08月26日
問題
次の文章を読んで、①~⑥に入る適当なものをa~jから選べ。
日本語教育における「動詞分類」の呼称は国語教育におけるそれとは異なる。まず、活用という観点から整理された分類表を下に示す。
国語教育 | 日本語教育 |
① | 1グループ動詞 |
② | 2グループ動詞 |
③ | 3グループ動詞 |
次に、日本語教育の指導に関わる観点から見てみよう。この視点では「コトの類型」(これは寺村秀夫の用語である)という基準が適用されるのが一般的である。コミュニケーションに関わるすべての日本語の文は「コトガラ+④」で成立している。「コトガラ」とは客観的な事実を述べる部分、「④」とは話者の心的言語態度を表す部分のことである。例えば、「雨が降るだろう」という文は「雨が降る=コトガラ」「だろう=④」のように分解される。日本語でコトガラを構成する一番重要な要素は⑤である。
動詞を「コトの類型」で分類するということは、それぞれの動詞が必要とする⑥が何かという観点で分類するということである。例えば、「行く」という動詞は・誰ガ?・どこヘ?という二つの⑥を必須のものとして要求するのである。
a. | 変格活用動詞(カ変・サ変) | b. | モダリティ | c. | 主語 |
d. | 述語 | e. | 五段活用動詞 | f. | 状況語 |
g. | シンタクス | h. | 一段活用動詞(上一・下一) | ||
i. | 補語 | j. | ジェンダー |
解答
①e ②h ③a ④b ⑤d ⑥i
問題解説
「シンタクス」とは「統語」と訳される。「ジェンダー」とは社会的・文化的性差のこと。「状況語」とはコトガラの状況を示す語のことで、「いつ」「どこで」などを表す副次補語となる。