日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
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言語教育法・実技(実習)
登録日
2005年02月24日
問題
次の文章を読んで、各問に答えよ。
◆ 言語学習の5段階
[認知] 外国語学習者は自分の知らない単語や文構造を聞いて、それが未知のものであることを意識し、その意味を知ろうと努力する。その結果、知らなかった単語の音と意味が結びつき、この語はこの意味である。この文構造はこういう場合の表現である、ということが意識される。この際、学習上効果的なのは(1)
[模倣] 次に認知した語や文を自らのものとするには、モデルをまねて言う段階が必要である。この際注意しなければならないのは、(2)
[反復] 語や文を学習者の記憶の中に定着させるためには、練習のため、繰り返し発せられなければならない。繰り返し行ってもあやまたず、その語や文を学習者が発することができればこの段階は終わる。
[変化] 学習者が正確にその語や文を発することができても、それだけでは応用が利かない。モデルとなった文の一部を差し替えて、異なる場面に合うように文全体を作り替えるのがこの段階である。
[選択] 前の段階で獲得した文や語の中から、場面に応じて必要なものを使うことができる段階である。
(3)のこの理論は、日本には英語教育を通じて紹介されたため、英語教育の理論のごとき印象を一般に与えているが、(3)は言語学習一般を考えているのであるから、この理論は日本語教育においても妥当性を有する。
問1(3)に入る適当な人名を選べ。
1.パーマー 2.フリーズ 3.ウィルキンス 4.トワデル
問2(1)に入る適当なものを選べ。
1.動作まで含めて連続で見せ、聞かせることである。
2.実物を使い、なるべく具体的に理解させることである。
3.意思が疎通する様子を理解させることである。
4.未知の要素が一箇所だけであるということである。
問3(2)に入る適当なものを選べ。
1.学習者がまねた結果が、その言語社会で通用するかどうかである。
2.学習者が意味を理解して発話しているかどうか確認することである。
3.教師側がモデルを文字に記したものを見せて発話させることである。
4.モデルをできるだけ短いもので示すことである。
解答
問1: 4
問2: 4
問3: 1
問題解説
問1: フリーズは第2次大戦後ミシガン大学においてオーディオリンガル・アプローチの確立に努めた。ウィルキンスは1970年代初頭にヨーロッパ評議会において、言語教育における「概念機能シラバス」の必要性を唱えた。