日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
言語習得・発達
登録日
2008年02月13日
問題
次の文章を読み、それぞれの問いにこたえよ。
発達の規定要因として、成熟要因と学習要因の二つがある。成熟とは、遺伝など内的な要因によって、時間の経過に伴い自然に能力や機能、行動、形態などに変化が生じることである。成熟は、環境とはまったく無関係に発達が進行するという点で学習とは対概念を形成する。
「成熟優位説」に立つ(1)は、個々の学習への準備状態の成熟を待って教育すべきという(2)待ちの教育観を示した。
これに対して「学習優位説」の立場に立つブルーナーは、知的能力の発達には環境要因の影響が大きいとして、適切な刺激を与えることで(2)の形成を促進できるという(2)促進の教育観を提示した。特に知的な側面に関しては、適切な刺激を与えることで発達を促進できることは明らかになっており、それが早期教育を支持する根拠ともなっている。
問1)文章中の(1)、(2)に入る最も適当なものを選べ。
(1)1.ゲゼル2.ワトソン3.ローレンツ4.ソーンダイク
(2) 1.レディネス2.アタッチメント3.アイデンティティ4.インプリンティング
問2)ブルーナーが提唱した学習として最も適当なものを選べ。
- 協同学習
- 発見学習
- モデリング
- 銀行貯金型学習
解答
問1)(1)1(2)1
問2)2
問題解説
問1) |
ゲゼルは階段上りの実験を通して、身体的・精神的な成熟を待たずに行う教育や訓練は効果をあげられないとした。レディネス(readiness)とは、学習成立のための準備性のこと。 |
問2) |
発見学習は、狭義には宣言的知識(○○は××である)の発見過程を学習者自身に追体験させる。実際には中心教材の選定、場の設定など、教師側に大きな負担がかかる。 |