日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
言語習得・発達
登録日
2008年11月04日
問題
次の文章を読み、各問いに答えよ。
外国語学習者の誤用を詳しく分類すると、母語からの影響だけでは説明できないものが多いことに気づく。この事実からAコーダーは第二言語習得者の言語は、それ自体、規則的体系を持ち、言語的記述が可能な「言語」であると唱えた。しかし、それは目標言語に向かう発達過程にある中間的なものであることからB「中間言語」と呼ばれる。これは、われわれの母語が人間に生得的に存在する(C)を経て獲得されるものであるという生成文法の考えが、第二言語の習得研究にも影響を及ぼしたものであるといえよう。
問1)文章中の下線部Aの提唱した理論として適当なものを選べ。
- 対照分析
- 誤用分析
- 因子分析
- 談話分析
問2)文章中の下線部Bの用語を提唱した人は誰か。
- ラドー
- ネムサー
- セリンカー
- チョムスキー
問3)文章中のCに入る適当なものを選べ。
- 臨界期
- 言語獲得装置
- 情意フィルター
- 発達最近接領域
解答
問1)2
問2)3
問3)2
問題解説
問1) |
コーダーの論文(1967)によって、従来、言語学習のマイナス要素とみなされていた学習者の誤りが再評価され、学習に不可欠なものとみられる契機となった。 |
問2) |
セリンカー=中間言語、ネムサー=近似体系、コーダー=個人特有方言 |
問3) |
母語が人間に生得的に存在する言語獲得装置(チョムスキー提唱)を経て獲得されるという生成文法の考えに影響を受けている。 |