日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
文法体系
登録日
2008年11月25日
問題
次の文章を読み、各問いに答えよ。
主語を「文の成分の一つ。述語と対応し、述語の表す動作、作用あるいは性質、状態、関係などの帰属する主体を表す成分」と定義すると、そこには、体言に「が」のついたもの以外に、「は」「も」「しか」「だけ」や他の副助詞のついたものが含まれ、主語の内容があいまいなものになっている。(A)はガ格成分のうち、述語の表す意味の対象を示すものとして「仕事がつらい」「算術ができる」などを挙げ、これらを「B」と呼んで、主語から区別した。
問1)文章中のAに入る適当なものを選べ。
- 三上章
- 佐久間鼎
- 寺村秀夫
- 時枝誠記
問2)文章中のBに入る適当なものを選べ。
- 客体語
- 補足語
- 対象語
- 補充語
問3)日本語の主語の特徴として不適当なものを選べ。
- 主語が省略されることはほとんどない。
- 「は」は主題以外にも対比を表す場合がある。
- 他動詞文や使役文の主語は無生物を嫌う傾向にある。
- 不特定多数が主語として想定される場合は、主語を表さないのが普通である。
解答
問1)4
問2)3
問3)1
問題解説
問1) | 時枝は、独自の言語観に基づき「言語過程説」を唱え、国語学の分野に新しい展開をもたらしたことで知られる。 |
問2) | ガ格成分のうち、述語の対象となる語を対象語と名づけて主語と区別した。 |
問3) | 日本語では主語の省略はよく起こる。一人称の場合や、「最後に塩を少々入れます」のように不特定主語の場合にも主語を表さないのが普通である。 |