日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
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総合問題
登録日
2010年05月11日
問題
次の文章を読み、各問に答えよ。
教室運営の指針は、学習者と教師のあいだの契約ともいえる広義のシラバスに示される。日本語教室の運営においては、学習者の意欲と動機を高めながら対話のある授業を実践していくことが必要である。たとえば、クラスにまとまりがない、協力関係がない、孤立している学習者があるなど、グループに問題がある場合には、構成的グループ・エンカウンターを用いて対処することができる。これは、グループの持つ教育力と( ア )を応用した方法論として学習者間の人間関係づくりや教室運営に役立つ。
問1) 文章中の下線部を開発した人は誰か。
- 河合隼雄
- 國分康孝
- 宮城音弥
- 森田正馬
問2) 文章中の( ア )に入る最も適当なものを選べ。
- ネットワーク
- シャドーイング
- フィードバック
- グループダイナミクス
問3) 臨床心理学者ロジャーズのカウンセリング理論として不適当なものを選べ。
- クライエントによっては、指示的カウンセリングをとることがある。
- カウンセラーはクライエントが自由に自己開示できるように努める。
- クライエントとカウンセラーとのあいだにラポールが形成されるように努める。
- 人間が自己実現に向かって行動ができるという「成長モデル」の人間観が反映されている。
解答
問1) 2
問2) 4
問3) 1
問題解説
問1) | 國分康孝。1930年生まれ。教育カウンセラー協会会長。 |
問2) | 集団力学。レヴィンによって創始された。彼はまた、理論と実践の統合を図るアクション・リサーチを重視し、研究成果を現実の集団活動の改善に生かすことを強調した。 |
問3) | 指示的カウンセリングは、カウンセラーがクライエントの抱えている問題を注意深く聞きクライエントがすべき適切な行動や考え方の助言、指導、動機づけを与える。ロジャーズは、クライエント自身の心の成長や自立を重視し支援していく非指示的カウンセリングをとる。これは一般的に「来談者中心療法」と呼ばれている。自己開示は個人内の問題ばかりではなく、他者との関係の発展や衰退に役割を果たす、また、ラポールとは互いに親しい感情が通い合って、打ち解けて話ができる関係をいう。 |