日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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総合問題

登録日

2015年09月15日

問題

*この問題は2006年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。

次の文章を読み、問いに答えよ。

 留学生にカウンセリングを行う場合、いくつかの留意点がある。
 まず、第一に、留学生の自文化と日本の大学文化との間に葛藤や対立が起こった場合に、一方の側から見て対応するという誤りに陥ることである。これでは人間対人間として共感的に理解することから遠ざかってしまう。
  第二に、留学生は異文化に接した後、固有のプロセスがあるという点を忘れないことである。通常、新しい文化に接した人間は(①)の混乱が起こりうる。そういった場合の留学生固有の発達過程ないし、発達段階の法則性を把握すれば、より効果的な発達援助が行われると考える。
  第三に、留学生の出身文化が個人の自我と分かちがたく結びついているということへの尊重と配慮が必要なことである。

 

問1) 文章中の下線部に影響を与える考え方として、最も適当なものを選べ。

  1. 個人主義
  2. 集団主義
  3. 多文化主義
  4. 自文化中心主義

 

問2) 文章中の(①)に入る最も適当なものを選べ。

  1. ラポール
  2. カルチャー
  3. パーソナリティ
  4. アイデンティティ

 

問3) 留学生が抱える問題によっては、グループや友人を活用する可能性がある。それについて最も不適当なものを選べ。

  1. 同じ文化圏出身者の学生によるピアカウンセリングを行う。
  2. 同じ国の友人たちのグループを活用して、グループワークを行う。
  3. 問題を抱える学生と同じ境遇の学生が問題の解決を行う。
  4. 共通した問題を抱える学生同士でのグループカウンセリングを行う。

解答

問1) 4
問2) 4
問3) 3

問題解説

問1)

留学生にとって日本は異文化であり、自文化に対立する文化となる。「文化的存在としての留学生」という視点から、留学生を多面的に理解することが大切である。

問2)

自我同一性。エリクソンの人格発達理論における青年期の心理的社会的危機を示す用語。

問3)

問題の解決に当たっては、あくまで本人が解決できるように援助することが大切。どうすれば解決するのか、その方法や選択肢を留学生とカウンセラーが一緒に考える態度が望ましい。

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