日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
文法体系
登録日
2016年04月12日
問題
*この問題は2005年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。
次の(1)~(4)について、下線部のような誤りを発話した学習者に対して、文法的な説明をする際、用いる例文として不適当なものを選べ。
(1) 【先生はもう教室に来ます】
- この道は右に曲がっています。
- 動物園の正門は閉まっています。
- 非常口の電気は点いています。
-
バンコクからの最終便は到着しています。
(2) 【妹が受験すると、上京しました】
- 雨のために、試合が中止になりました。
- 進学するために、アルバイトをしています。
- 健康のために、毎日トレーニングしています。
-
日本のアニメを勉強するために、日本へ来ました。
(3) 【黒板で名前を書いてください】
- 壁に絵を掛けましょう。
- 牛乳は冷蔵庫に入れます。
- 将来は通訳になりたいです。
-
明日の朝、鹿児島に着きます。
(4) 【急に雨が降り出た】
- 春になり、桜が咲き出した。
- 正門が開くと、観客が走り出した。
- 知らせを聞いて、彼女は泣き出した。
- 台風の後、水が川から町に流れ出した。
解答
(1) 1
(2) 1
(3) 3
(4) 4
問題解説
(1) 誤文は「教室に来ています」と変化結果の状態の「~ています」が使えなかったもの。1 の文だけが「変化結果」ではなく、単なる状態を表す「~ている」の文となっている。
(2) 誤文は「受験するために」と目的を表す「~ために」が使えなかったもの。1 の文だけが「原因・理由」の「~ために」の用法となっている。
(3) 誤文は「黒板に名前を書いてください」と到達点の「に」を「で」に誤ったもの。3 だけが「~になりたい」と変化結果を表す「に」の用法となっている。
(4) 誤文は「振り出した」と開始の補助動詞「~出す」が使えなかった誤り。4 だけが「流れる+出す」という複合動詞の用法となっている。