日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
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総合問題
登録日
2015年09月22日
問題
*この問題は2006年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。
次の文を読み、各問いに答えよ。
音読の効果を調べようと、留学生30名に、1ヶ月、毎日日本語のテキストを音読してもらい、音読を始める前と後にテストを受けてもらうことにした。100点満点のテストで平均点が6点上がった場合、この差は効果があった証拠になるだろうか。別のグループでも同じように効果があるのだろうか。何人をテストし、何回テストをしたら、本当に効果があったと言ってよいのだろうか。
このような疑問を解決するために行われるのが「検定(統計的検定)」と呼ばれる手法である。検定の結果、平均点の差や関係の有無を認めてよい場合を、差や関係が(①)といい、(②)を棄却できる。
問1) |
文章中の(①)に入る適当なものを選べ。
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問2) |
文章中の(②)に入る適当なものを選べ。
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問3) |
検定の結果が「p<0.05」(p=偶然率)になった場合の意味として最も適当なものを選べ。
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問4) |
文章中の下線部について、音読の前後の平均点を比較するのに最も適当な統計処理は何か。 |
解答
問1) 2
問2) 4
問3) 2
問4) 1
問題解説
問1) |
統計的に有意である(statistically significant)という。 |
問2) |
統計的有意性の検定では、まずグループに差がないという帰無仮説(null hypothesis)を設定する。次に、この帰無仮説が正しくない(帰無仮説を棄却する)ことを証明する。 |
問3) |
間違って正しい帰無仮説を棄却してしまう危険性(第一種の過誤)があるので、この過誤が起こりうる危険性を危険率(優位水準)αで表す。例えば、α=0.05とは「この検定が間違っている可能性が5%存在する(すなわち95%は信頼してよい)」という意味である。 |
問3) |
帰無仮説(二つの平均点に差はない)を棄却するかどうかの判断は、t検定の統計処理法に従って検定量t値を算出して、その絶対値をあらかじめ定めた臨界値(棄却値)と比較して行う。同じ被験者のデータを二組比較する場合は、「対応のあるt検定」を行う。 |