日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
言語使用と社会
登録日
2004年11月25日
問題
次の文章を読んで、後の各問に答えよ。
外国人が身につけるのに苦労する、あるいはなかなか身につけにくい学習項目の一つに「待遇表現」がある。これは、待遇表現というものが場面や状況に応じて使いこなさなければならない応用的な表現であるということが一番の理由であろう。
日本語待遇表現は非常に日本的な心理過程を経て具体化する。つまり、( ① )ということである。逆の言い方をすれば、待遇表現が使いこなせて初めて「日本的な日本語」が使いこなせるということなのである。
初級待遇表現指導の重要な学習項目に「やりもらい」と言われるものがある。「やりもらい」本動詞は、補足語と述語動詞の類型という観点からは( ② )というパターンをとる動詞群を指す。同じパターンをとる動詞には「教える」「習う」「貸す」「借りる」なども存在する。これらの動詞とやりもらい動詞は、対象が動作主体から、あるいは動作主体に移るという点は同じである。やりもらい動詞が上記の動詞群と異なる基準となるのは( ① )という点である。
問1) 文章中の①・②に入る適当なものをそれぞれ一つ選べ。
① |
|
② |
|
問2)次の選択肢の中から「やりもらい」本動詞だけを並べたものを一つ選べ。
- いただく、さしあげる、頂戴する、進呈する、拝領する、賜る
- くれる、まいる、いただく、うかがう、もうす、もらう
- くださる、おっしゃる、さしあげる、いらっしゃる、めしあがる
- あげる、もらう、くれる、いただく、さしあげる、くださる、やる
解答
問1) ① 1 ② 2
問2) 4
問題解説
問1) | 補足語と述語動詞の類型とは寺村秀夫のいう「コトの類型」のこと。日本語の述語動詞は、「名詞+格助詞」で構成される補足語(補語)を要求する。例えば、「食べる」という動詞は「誰ガ」「何ヲ」という二つの補足語があって初めて必要な伝達内容を相手に伝え得るのである。 |
問2) | 日本語やりもらい本動詞は、この選択肢4で挙げた7動詞である。 |